酒種のカンパーニュ🍶 | コールドプルーフ

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 酒種のカンパーニュの作り方🍶

 配合

1個分

▶︎発酵種(スターター)

強力粉マニトバ(10%) 23g
酒種(10%)23g

▶︎生地

強力粉マニトバ(80%) 184g
準強力粉石臼挽き全粒粉オーガニックスムレラT70(10%) 23g
水(65%) 149.5g
塩(2%) 4.6g

ポイント

酒種でゆっくり時間をかけて発酵させるので、滋味深く甘みのある生地になります。発酵と分解のバランスをとるために、事前に発酵種(スターター)を準備して生地の安定をはかるのがポイント。

またコールドプルーフのカンパーニュはクラストが厚くなりがちなので賛否ある製法ですが、酒種生地で作ってあげると、クラストが濃く甘い味わいになるので、噛み締めるのもまたいいものなんじゃないかなー、なんて思っています。

 🍶フロー

■発酵種(スターター)を作る

発酵
28-30℃/1.5-2時間/3倍くらい

■生地を作る

オートリーズ
室温/2時間くらい

捏ねあげ温度
23-25℃(25℃は超えないように)

フロアタイム
40分ごとにS&F/トータル4-5時間

冷蔵発酵
2-8℃ / 18-24時間

復温
18℃ / 0-1時間

分割
なし

■焼成

予熱 300℃
焼成 250℃ / 10分スチームあり, その後250℃ / 15-18分スチームなし

ポイント

フローは目安です。生地の状態を見極めながら、各工程を調整してください。焼成温度はお持ちのオーブンに合わせて調整してください。

 発酵種 / スターターを作る

酒種と強力粉を合わせてよくこねる。

まとまったら丸めて発酵させる。

発酵
28-30℃ / 90-120分 / 3倍くらい

 生地を作る

1

水に強力粉、全粒粉をふり入れて、ざっくりと混ぜる。乾燥させないように気をつけながらオートリーズをとる。

オートリーズ
室温 / 90-120分 / 3倍 / スターターを仕込んでいる間を利用する

2

オートリーズ後の生地にスターターを加えてざっくり混ぜる。さらに塩をふり入れてざっくり混ぜる。

塩の粒が完全に溶けるまでこね、塩が溶けたら軽く丸めて生地を休ませる。

レスト
40分

3

ここからS&Fとレストを4-5回繰り返して生地を繋いでいく。まずは1回目。

生地を引き伸ばして折りたたむ。

生地の向きを変えて、また引き伸ばして折りたたむ。生地を休ませる。

レスト
40分

この生地のポイント

生地管理の最適解は生地ごとに異なります。今回の生地の場合は、以下です。

▪︎生地温度は一貫して23℃以上25℃未満で管理
▪︎スターターは1.5時間から2時間で3倍になる発酵活性
この条件下ではスターターを生地に加えてから4時間ほどで成形・型入れする。

厳密には粉の配合によっても変わってきますが、基本的にこのへんを気をつけてあげると、発酵と分解熟成のバランスがとりやすいと思います。

4

2回目のS&Fを行ってから、生地を休ませる。

レスト
40分

5

3回目のS&Fを行ってから、生地を休ませる。

レスト
40分

6

4回目のS&Fを行ってから、生地を休ませる。

レスト
40分

7

5回目のS&Fを行ってから、生地を休ませる。

5回目のS&Fについて

5回目ですが、もし生地の発酵が進み、この時点で生地が細かい気泡をたくさん蓄えているようであれば、引き伸ばしの工程を省きます。生地がもったりと厚くなって、持ち上げたときに指先で気泡が潰れるような感触がある場合は、発酵し始めた生地を傷めてしまうおそれがあるので、引き伸ばしはせずに、軽く丸め直して、最後のレストの工程にうつってください。

レスト
40分

8

成形する。

発酵かごに入れて、冷蔵発酵をとる。

9

発酵させる。

冷蔵発酵
2-8℃ / 18-24時間

10

復温させる。

復温
0-60分 / 基本的には無しでOK, お好みで調整

11

生地を出してクープを入れて、焼成する。

焼成
予熱300℃
焼成250℃/10分スチーム有り, その後250℃/15-18分スチームなし

12

完成!

 酵母と製法

 酵母:酒種🍶

酒種の作り方

今回は酒種を事前に発酵種にして使用します。コールドプルーフは、冷蔵発酵中、生地の管理ができない時間が長時間つづくので、できるだけ種の中の微生物のバランスを整えておいてあげたいからです。

分解熟成が優位に働いてしまうと、生地が長い発酵に耐えられない場合があります。生地の中はいつでも微生物同士の陣取り合戦中なので、発酵活性を上げてあげるだけで、その他の活性は少しおさえられます。そんな考え方でレシピを組み立てています。

 製法:コールドプルーフ

この言葉、言葉自体は元々は海外のサワードウ文化から流入したものだと思います。成形後に冷蔵発酵をとる製法です。

コールドプルーフとは
最終発酵を冷蔵で取ること。また、生地が比較的冷えた状態のまま窯入れし、オーブンスプリングで大きな窯伸びを狙う製法として知られる。主に海外の火力の強いオーブンやデッキオーブンなどで有効な方法。日本の家電では火力が足りず、クラストが厚くなったり火通りが悪くクラムの水分の抜けが悪かったりするのであまり適さない。

……というように過去の私は考察しています。なんだか大事なポイントが欠けているような気がしますね。

つまり……最終発酵を冷蔵庫で長時間にわたって取るために、一次発酵を100%取ることができないので、本来、適切なポイントで入れるパンチや成形といった重要な生地管理が、適切なタイミングで行えない製法だと思っています。さらに窯入れ時の生地温度が足りていないまま窯に入れることになるので、生地が窯の中で低温で蒸される時間が長くなります。

これだけ考えても結構難しい製法ですよね。

今回は、生地量を少し下げたり、復温をとったり、もっと掘り下げれば、スターターのハイドレーションを下げたり高タンパクの小麦粉を使用したりパンチの工程を増やしたり成形を強めにしたり……といろんなところで工夫しています。それでもやっぱり普段焼くハードパンのように薄くてパリパリのクラストという訳にはいかないので、クラストも味わい深くしてくれる「酒種」と「マニトバ」を使用しています。このカンパーニュのクラストは遠くで醤油麹のような、みりんのような香りが漂ってとっても美味しいです!