マーブルベーグル・サワーチェリー🍒



マーブルベーグル・サワーチェリーの作り方。大理石のような鮮やかな模様のベーグルをご紹介します。甘酸っぱいサワーチェリー味です。


マーブルベーグル・サワーチェリー
4個分

【仕込み水】
・サワーチェリーの漬け汁  100g(100%)
・赤ワイン 100g(100%)

【セミドライチェリー】
・サワーチェリーの実 1缶250g(100%)
・砂糖 125g(50%)
・レモン果汁 12g(5%)
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予熱 100℃
焼成 100℃で60分

【プレーン生地】
・強力粉 175g(100%)
・ヨーグルト酵母元種 40g(23%)
・牛乳 80g(46%)
・水 16g(9%)
・はちみつ 24g(14%)
・塩3.8g(2.2%)

【チェリー生地】
・強力粉 105g(100%)
・ヨーグルト酵母元種 40g(38%)
・仕込み水 53-65g(50-62%)
・はちみつ 16g(15%)
・塩2.3g(2.2%)
・セミドライチェリー 80g


【焼成】
予熱 230℃
焼成 210℃で17-20分
ポイント
焼成温度はお持ちのオーブンに合わせて調整してください
木琴堂チャンネルでは長野県【安曇野養蜂苑】のアカシアはちみつを使用しています
強力粉→1CW
酵母→ヨーグルト酵母元種(1:0.7)
サワーチェリー→ミシガンメイドのサワーチェリー

ヨーグルト酵母の作り方:準備中

▶︎元種の作り方

■マーブルベーグル・サワーチェリー🍒の作り方

 フロー

■仕込み水を作る

■セミドライチェリーを作る

■生地(プレーン生地とチェリー生地)を作る

オートリーズ
30分
こねあげ温度
25-27℃

一次発酵
25-28℃/膨倍率2.5倍

冷蔵発酵をとる場合は、復温後の生地が2.5倍程度になるように調整してください。

分割
140g前後/4分割

最終発酵
25-28℃/膨倍率は気にせずお好みで

焼成
予熱230℃
焼成210℃/17-20分

フローは目安です。生地の状態を見極めながら、各工程を調整してください。焼成温度はお持ちのオーブンに合わせて調整してください。

 下準備

仕込み水を作ります

サワーチェリー缶の漬け汁と赤ワインを合わせて中火で煮立たせます。10分ほど加熱したら冷まします。

セミドライチェリーを作ります

サワーチェリー缶の実と砂糖、レモン汁を鍋に入れ、中火で煮立たせます。途中、アクをすくいながら10分ほど加熱し、サワーチェリーの果汁が出切ったところでシロップと実を分ます。

実だけをオーブンで乾かします。


焼成
予熱 100℃
焼成 100℃で60分

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プレーン生地を作ります。ボウルにヨーグルト酵母元種、水、牛乳、はちみつを入れ、よく混ぜます。強力粉を加えて均一になるまで混ぜます。オートリーズをとります。

その間にチェリー生地を作ります。ボウルにヨーグルト酵母元種、仕込み水の一部、はちみつを入れ、よく混ぜます。残りの仕込み水は調整水として取り分けておきます。強力粉を加えて均一になるまで混ぜます。調整水で生地のかたさを調整します。生地がまとまったらオートリーズをとります。

オートリーズは粉の水和を促し、グルテンを効率良く繋げたり、酵素を働かせる効果があります。今回は副材料もある程度は入るので、純粋なオートリーズとは言いにくいのですが、捏ねの負担はやはり軽減されますので、時間がある方は入れてみてください。

オートリーズをとると、休ませている間に生地が繋がり、綺麗に伸びるようになります。

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プレーン生地、チェリー生地、それぞれをこね台に出して塩を加え、生地の表面がなめらかになるまで捏ねます。

加水率の低い生地です。かなり力が必要ですが、生地が伸びるうちは伸ばしてこねて、グルテンの伸びを強化します。同時に力を加えて、生地を折りたたんで押しこむことをくり返しながら捏ねます。ここでは生地を無理に伸ばさないように気をつけます。形成されたグルテンは伸ばしすぎてちぎると、繋がりが切れてしまうからです。伸ばしすぎず、生地の表層を切らないように気をつけます。
生地はだんだんとつるんとしてきて、なめらかになります。加水率の低い生地なので、いつものようにとろりとした感触になることはありませんが、表面がある程度なめらかになるまではこねてください。
機械捏ねの場合も同様です。このような生地の場合は、手ごねよりはるかに効率的にこねられると思います。しっかりこねて生地をなめらかにしておきます。

こねあげ温度
25-27℃

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プレーン生地とチェリー生地を重ねて簡単にまとめ、丸めて、発酵容器に入れます。生地が2.5倍になるまで発酵させます。

予備発酵
25-28℃/4-7時間

今回は、途中、冷蔵庫に入れて低温長時間発酵をとりました。生地が1.8倍になった時点で冷蔵庫に入れ、12-18時間、冷蔵庫で寝かせました。発酵膨倍率2倍くらいで冷蔵庫から出し、2.5倍になるまで復温させました

今回の一次発酵の手順

予備発酵
25-28℃/4-5時間, 発酵膨倍率1.8倍
冷蔵発酵
4-8℃/12-18時間, 発酵膨倍率2倍
復温
25℃前後/1時間前後, 発酵膨倍率2.5倍, 生地温度15-20℃

発酵後の生地です。

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生地をこね台に出して、全体を優しく押してガスを抜きます。ひとつ130g前後に分割し、予備成形(ドッグ型成形)をしてベンチタイムをとります。

密な内相のベーグルがお好みの場合は、ここで方向転換をすることができます。生地の気泡を完全に抜き、何度か麺棒をかけて生地そのものを強化することで、気泡が細かく均一に整ったヒキの強いベーグルを作ることができます。手順としては、生地を麺棒で伸ばし三つ折りします。生地の向きを90℃変えて麺棒で伸ばし、三つ折りします。デニッシュ生地の折り込みのようなイメージですね。これを5回ほど行ってください。気泡は少なく、満遍なく均一に散って、麺棒の負荷によって生地はより強くなります。この場合は最終発酵は20分以内にとどめて、ケトリングから焼成に入ります。お試しくださいね。

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成形します。

今回はチェリーを包んでいるので、綴じ目、念入りに綴じています。棒状成形で綴じ目がきちんと綴じられていれば、綴じ目の位置はあまり気にしなくても大丈夫だと思います。ケトリングで多少、めくれますが、ねじり成形の場合はそれが味のあるアクセントになります。ねじらない成形の場合は、綴じ目は下、これはいつも通りです。

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お好みで20-60分、発酵させます。

最終発酵
25-28℃/20-60分

最終発酵が若ければ、生地の中に気泡が蓄えられません。この場合は内相は密なものになります。ある程度、ふわっとさせたい場合はしっかり発酵をとり、生地の内部に気泡を蓄える必要があります。

 7

ケトリングします。

熱い湯の中で生地の表層を糊化させます。一般的にはモルトシロップやはちみつを溶かして茹でることが多いかと思いますが、特別な決まりはありません。

ケトリングは必ずオーブンの予熱が済んでから行います。茹でたあと、すぐに窯入れしたいからです。時間をおきすぎると表層にシワがよることがあるので、注意です。

 8

焼成します。

予熱 230℃
焼成 210℃で17-20分

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完成!

■ポイント

 ベーグルとは

ベーグルとは?

もとはユダヤ人が日曜日の朝食として食べていたパンだそうです。1900年前後にアメリカに持ち込まれました。ドーナツのように成形した生地を一度、茹でてから焼成するのが特徴です。茹でてパンの表層を糊化させることでパンの膨らみが抑えられ、独特のみっちりと目の詰まった食感が得られます。

ベーグルは歴史の深いパンです。ヨーロッパで生まれ、その後、ユダヤ人がアメリカに移住する際に、共にベーグル文化が持ち込まれました。今ではニューヨークを中心に愛され親しまれて、朝食やブランチの定番になっています。

日本でも食卓の定番になりつつあります。専門店もたくさんあって、成形もいろいろ。生地をまっすぐにしたままつなぐ方法やねじる方法、結んでつなぐ方法もありますし、丸い生地に穴をあけてドーナツ型にする方法もあります。エピのようにカットしたり、棒状成形をソシソンクープで飾る場合もあります。どれも少しずつ食感が変わるので、お好みの成形方法を探ってみるのも楽しそうです。

独特のもっちもちの食感とサンドイッチにぴったりのシンプルな生地の美味しさが、長く愛されるポイントでしょうか。低脂肪、低カロリー、と言われていますが、バターを配合したり、今回のようにしっかり甘味をつけたり、いろいろなアレンジが広まっているので、そこまで低カロリーではないような気もしています。糖質オフとは真逆に位置するような生地ですし。プレーンベーグルにいちごとあんことクリームを挟んで食べるのは最高です。これはもうヘルシーなパンではないですよね。

 ケトリングとは

ケトリングとは?

焼成の前に、ベーグル生地を茹でることです。ベーグルの独特の食感は、ケトリングをすることで生まれます。焼成の前に生地の表面を高温で固めて糊化させてしまうので、その後、生地が膨らみたくても膨らむことができずに、あの身の詰まったむぎゅむぎゅした食感が生まれるのですね。

ケトリングするお湯に糖分を加えるのが一般的です。綺麗な焼き色がつきますし、香りもupします。本場はモルトシロップを使いますが、木琴堂でははちみつを使用しています。砂糖でももちろん大丈夫です。それぞれ色づき方や香りは微妙に違いますが、それほどの違いでもないと思います。好奇心のある方は作り比べて楽しむのも一興かもしれません。今回ははちみつが12%入る生地です。ベーグルにしてはかなり甘め。なのでケトリングは真水で行っています。

ケトリングの温度や時間については、これまでも様々な提案がされてきています。押さえておきたいポイントは、表面をしっかり糊化させてあげるということと、糊化させた厚さがそのままクラストの厚さになるということです。

小麦粉のデンプンの糊化する温度は65℃-95℃くらいでしょうか。生地の加水率でも変わってくるみたいです。だからケトリングのお湯の温度は低くとも80℃以上を推奨されているのですね。

茹でる時間については、表、裏それぞれ30秒で充分だと思います。あまり長いとクラストが厚めになるので、かなり歯応えのあるベーグルになります。お好みで加減なさってください。

ケトリングは必ずオーブンの余熱が完了してからにしましょう。ケトリングしたらすぐにオーブンに入れて焼成に入れるようにします。表面がピンと張って綺麗に仕上がりますよ。

■酵母と製法

 ヨーグルト酵母元種

ヨーグルト酵母以外の酵母でも作れます。元種の作り方はこちらでご確認ください。

▶︎元種の作り方

元種はご家庭によって水分量が違います。私の元種は「粉:水=1:0.7」。必要であれば、水分調整してから使用してくださいね。

 ストレート法

ストレート法とは?

直捏ね法とも。材料(フィリングなどは除く)を一度にミキシングし、パン作りの工程を分割することなく、発酵、成形、二次発酵、焼成までを滞りなくひとつの流れで行う製パン法のこと。家庭製パンでもよく用いられている。素材の風味がよく活き、発酵時間も短く済み、材料の個性が出やすいという特徴がある反面、生地の老化が早くまたボリュームが出づらいという短所もある。

オールイン製法と区別する点は、油脂入れのタイミング。ストレート法はミキシングの工程は分割しないが、油脂はミキシングの最後に加えることが多い。

 後塩法

後塩法とは?

アトジオ法、コウエン法。ミキシングの際に、塩を後入れする製パン法。塩を加える前に小麦に水を充分に吸わせ、効率よく水和させることで、生地作り初期のグルテン骨格の構築をより効率的に進める製法。ミキシングの時間を短縮することができる。

 オーバーナイト法 / 低温長時間発酵法

オーバーナイト法 / 低温長時間発酵法とは?

低温長時間発酵、冷蔵長時間発酵とも。生地を低温で発酵熟成させる製パン法。パン生地を低温、もしくは冷蔵庫に入れることでイーストの活動がゆるやかになり、ゆっくりと発酵する。発酵熟成の期間はある程度の長さを確保しないと期待するほどの効果は見込めない。仕込みの時間によってはひと晩寝かせることもできるので、オーバーナイト発酵と呼ばれる。もちろんひと晩、以上寝かせる場合もある。