ハーブとチーズのプチカンパーニュ🌿🧀 | オーバーナイト法

 ▶︎YouTube

#プチカンパーニュ
#酒種
#オーバーナイト法

 ハーブとチーズのプチカンパーニュの作り方🌿🧀

 配合

6個分

▶︎発酵種(スターター)

強力粉マニトバ(15%) 45g
酒種(15%)45g

▶︎生地

強力粉マニトバ(35%) 105g
E65(50%) 150g
水(62%) 186g
塩(1.5%) 4.5g
オリーブオイル(3%) 9g

ペコリーノロマーノ(7.5%)22.5g
マスコットのイタリアンハーブミックス(0.5%)1.5g

ポイント
酒種でゆっくり時間をかけて発酵させるので、滋味深く甘みのある生地になります。発酵と分解のバランスをとるために、事前に発酵種(スターター)を準備して生地の安定をはかるのがポイント。
材料について

マニトバは外麦の強力粉です。高灰分、高タンパクというのが最大の特徴で、たくさんのパン屋さんが「おいしい」と絶賛されています。今はコッタさんでも手に入るので、可能であればそろえてみてください。こちらは一般的な外麦に置き換え可です。国産小麦では、私の場合は、少し水を加減してはるゆたかブレンドなんかで代用することが多いです。

準強力粉はE65。内麦です。こちらも大好きな小麦粉。酵素の効きがいいところだけ注意です。とってもおいしいです。

ハーブはマスコットのイタリアンハーブミックス。イタリアンハーブミックスっていろんなブランドから出ているんですが、オレガノとセージが配合されているのはマスコットだけ。ぜひマスコットのイタリアンハーブミックスを手に入れてください。なければオレガノとセージだけ別で添加してもらいたいくらいに、これらの爽やかな香りがポイントなんです!!

チーズはペコリーノロマーノです。ひつじのチーズ。好き嫌いが分かれるかもしれないんですが、私は大好きです。こちらもぜひ、そろえてみてくださいね!

 フロー

◾️スターターを作る

発酵
28-30℃/1.5-2時間/3倍くらい

◾️具を用意する

イタリアンハーブミックス
乾燥ハーブ。できればオレガノとセージが配合されたもの。多くのイタリアンハーブミックスはバジルやイタリアンパセリがメインなので、配合をよく確認して購入してください。

ペコリーノロマーノ
ひつじのチーズ。特徴のある強い香りがあります。削ってたっぷり使用します。

◾️生地を作る

オートリーズ
室温/2時間くらい

捏ねあげ温度
23℃付近

フロアタイム
30-60分ごとにS&FとLA/トータル3時間くらい

冷蔵発酵
2-8℃ / 18-24時間

復温
18-25℃ / 30-120分 / 生地温度10-15℃、発酵膨倍率2倍くらいで切り上げる

分割
6分割

最終発酵
25℃くらい / 40-90分 / 生地が緩むまで

◾️焼成

予熱 300℃
焼成 250℃ / 7分スチームあり, その後250℃ / 8-11分スチームなし

ポイント
フローは目安です。生地の状態を見極めながら、各工程を調整してください。焼成温度はお持ちのオーブンに合わせて調整してください。

 発酵種 / スターターを作る

酒種と強力粉を合わせてよくこねる。

まとまったら丸めて発酵させる。

発酵
28-30℃ / 90-120分 / 3倍くらい

 生地を作る

1

水に強力粉、準強力粉をふり入れてざっくりと混ぜる。乾燥させないように気をつけながらオートリーズをとる。

オートリーズ
室温 / 90-120分 / 3倍 / スターターを仕込んでいる間を利用する

2

オートリーズ後の生地にスターターを加えてざっくり混ぜる。さらに塩をふり入れてざっくり混ぜる。

塩の粒が完全に溶けるまでこね、塩が溶けたら軽く丸めて生地を休ませる。

レスト
30分

3

休ませた生地にオリーブオイルを回しかける。

生地を端から引っぱって薄く広く伸ばす。満遍なく引き伸ばすうちに、オリーブオイルが自然に吸収されていく。

軽く丸めて生地を休ませる。

レスト
30分

4

ラミネーションを行う。軽く濡らした捏ね台に、生地を裏表逆にして出す。生地を中心から薄く広く伸ばして、薄い膜のようにする。そこにペコリーノロマーノとイタリアンハーブミックスをふりかける。

生地を破かないように気をつけながら丁寧に折りたたむ。

折りたたんだ面にもチーズとハーブを散らして、最後、軽く丸に整えて生地を休ませる。

レスト
30分

5

生地を引き伸ばして折りたたむ。また向きを変えて、引き伸ばして折りたたむ。生地を休ませる。

レスト
30分

6

2回目のS&Fを行って、生地を休ませる。

最後のS&F

最後のS&Fは、生地を育てるというよりは、具材を均一に混ぜるために入れています。本当は生地もかなり強くなってきているので必要はないんですが、ハーブとチーズをもう少し散らしたいので、軽く引き伸ばして折りたたんでください。

レスト
1時間

7

冷蔵発酵させる。

冷蔵発酵
2-8℃ / 18-24時間 / 1.8倍くらい

この生地のポイント

生地管理の最適解は生地ごとに異なります。今回の生地の場合は、以下です。

▪︎生地温度は一貫して23℃付近で管理
▪︎スターターは1.5時間から2時間で3倍になる発酵活性
この条件下ではスターターを生地に加えてから3時間ほどで冷蔵する。

厳密には粉の配合によっても変わってきますが、基本的にこのへんを気をつけてあげると、発酵と分解熟成のバランスがとりやすいと思います。

8

復温させる。

復温
18-25℃ / 30-120分 / 生地温度10-15℃になるまで / 2倍くらい

9

分割して、楕円に丸め直す。

分割
6分割

10

ベンチタイムをとる。

ベンチタイム
23-25℃くらい / 20-30分くらい / 生地が緩むまで

11

成形する。

成形はこちらの動画でもチェックできます。

12

最終発酵をとる。

最終発酵
23-25℃くらい / 40-90分 / 生地が緩むまで

13

仕上げをする。生地をオーブンシートの上に移してクープを入れる。

14

焼成する。

焼成
予熱300℃
焼成250℃で7分スチームあり、その後、250℃で8-11分スチームなし

焼成について

ハード生地の焼成については、YouTube「コーンハード❻」をご参照ください。

15

完成!

 酵母と製法

 酵母:酒種

今回は酒種を事前に「発酵種 / スターター」にして使用します。冷蔵発酵中、生地の管理ができない時間が長時間つづくので、できるだけ種の中の微生物のバランスを整えておいてあげたいからです。

分解熟成が優位に働いてしまうと、生地が長い発酵に耐えられない場合があります。生地の中はいつでも微生物同士の陣取り合戦中なので、発酵活性を上げてあげるだけで、その他の活性は少しおさえられます。そんな考え方でレシピを組み立てています。

 製法:オートリーズ

ミキシングの途中に生地を休ませ、二段階でミキシングを行う方法。もともとはフランスパンの製法。小麦粉、水(+モルト)を合わせてミキシングしてから、生地を20-30分休ませ、その後、酵母と塩を加えてミキシングを終える。生地中の酵素分解を促し、旨味と甘味を増強する。生地の緊張を和らげ、伸びのいい状態にして、ゆるやかにグルテンをつなげる。酵素の働きのおかげで、オートリーズ後に加える酵母の発酵がスムーズになる。

ここから派生して、今ではさまざまな方法でオートリーズに似た製法が取られている。糖分などの副材料や酵母を先に加える場合もある。ただ、本来のオートリーズの効果を最大限に利用するためには、小麦の水和を妨げたりグルテンを引き締めてしまうような材料は、オートリーズ後に加える方が良い。

 製法:後塩法 

コウエン法、アトジオ法。ミキシングの際に、塩を後入れする製パン法。塩を加える前に小麦に水を充分に吸わせ、効率よく水和させることで、グルテン骨格の構築をより効率的に進める製法。ミキシングの時間を短縮することができる。

 製法:オーバーナイト法

低温長時間発酵、冷蔵長時間発酵とも。生地を低温で発酵熟成させる製パン法。パン生地を低温、もしくは冷蔵庫に入れることでイーストの活動がゆるやかになり、ゆっくりと発酵、熟成する。生地の熟成が進むので、発酵生成物の蓄積が期待できるため、甘みや旨みののった生地になる。

発酵熟成の期間はある程度の長さを確保しないと期待するほどの効果は見込めない。仕込みの時間によってはひと晩寝かせることもできるので、オーバーナイト発酵と呼ばれる。もちろんひと晩、以上寝かせる場合もある。

低温の定義は曖昧。