酒種の作り方





日本の伝統酵母「酒種」の作り方。

酒種とは?

日本酒を作る工程、生酛造りからヒントを得て作られた日本独自の酵母です。4回にわたって種継ぎを行って酵母と乳酸菌、コウジカビ菌のバランスを整えていきます。


作りやすい分量

【1番種】
・生米 50g
・ごはん 10g
・米麹 40g
・水 100g
【2番種】
・前種 30g
・ごはん 100g
・米麹 30g
・水 80g
【3番種】
・前種 30g
・ごはん 100g
・米麹 20g
・水 50g
【4番種】
・前種 20g
・ごはん 100g
・米麹 20g
・水 60g
ポイント

分量を下記の図にまとめてみました。私は、米麹は板麹、生麹は使用したことがありますが、それ以外の麹は未経験です。

■酒種の作り方

1番種

生米、ごはん、米麹、水を合わせてよく混ぜます。28℃で48時間、保管します。

温度28℃
48時間

できれば6時間、少なくとも12時間ごとによくかき混ぜて、新しい酸素を供給します。

1番種の仕込みから24時間後の様子

蓋を開けると小さくプシュッという音がします。炭酸ガスが出て、中サイズくらいの気泡がみられます。混ぜると小さくプツプツという音がします。香りは麹特有の、甘酒そのもののような香りがします。

1番種の仕込みから48時間後の様子

蓋を開けるとプシュッとガスの抜ける音がします。気泡は増えますが、少し細かくなってきます。種はとろとろと水っぽくなり、甘酒が少しすすんだときのような香りがします。風味は甘酸っぱく、アルコールの香りはなく、まだ甘味がしっかりと残っていることが感じられます。生米や麹の粒は水を吸っていますが、まだ芯の方がかためです。このつぶつぶは種継ぎをくりかえすうちに気にならなくなりますので、このまま前種として使用します。

2番種

前種、ごはん、米麹、水を合わせてよく混ぜます。28℃で24時間、保管します。

温度28℃
24時間

できれば6時間、少なくとも12時間ごとによくかき混ぜて、新しい酸素を供給します。

2番種の仕込みから24時間後の様子

かなりガスが出るようになってきます。種の表層にぶくぶくとした気泡が見られ、その気泡にタンパク質の塊が張り付いているのがわかります

かき混ぜなくても絶えずガスが出て、混ぜるとたくさんの気泡がでます。香りは完全に酒種の香りになります。アルコールの香りも乗ってきます。酸味も甘味もあり、微炭酸を感じます。米サワーのような風味です。

3番種

前種、ごはん、米麹、水を合わせてよく混ぜます。28℃で18時間〜、保管します。

温度28℃
18時間〜

できれば6時間、少なくとも12時間ごとによくかき混ぜて、新しい酸素を供給します。

3番種の仕込みから18時間後の様子

ガスがたくさん出ます。種の表層は白く覆われていますアルコールの香りがはっきりとしてきます甘味は少なくなり、酸味がしっかりとのってきます。微炭酸があります。アルコールの香りとはっきりとした酸味が酒種が完成に近づいているポイントです。

4番種

前種、ごはん、米麹、水を合わせてよく混ぜます。28℃で12時間〜、保管します。

温度28℃
12時間〜

できれば6時間、少なくとも12時間ごとによくかき混ぜて、新しい酸素を供給します。

4番種の仕込みから12時間後の様子

冷蔵庫に入れて保管し、翌日以降に使用します。

翌日

完成!

表層のタンパク質の膜はっきりとしたアルコールの香り、はっきりとした酸味が完成を確認するポイントです。甘味はほとんどなくなります。

できれば5日、少なくとも1週間ごとにリフレッシュして育てます。

種継ぎ/リフレッシュ

前種、ごはん、米麹、水を合わせてよく混ぜます。28℃で12時間〜、保管します。

温度28℃
12時間〜

できれば6時間、少なくとも12時間ごとによくかき混ぜて、新しい酸素を供給します。

冷蔵庫に入れて保管し、翌日以降に使用します。

■酒種作りのポイント

酒種とは

酒種とは?

日本酒を作る工程、生酛造りからヒントを得て作られた日本独自の酵母です。4回にわたって種継ぎを行って酵母と乳酸菌、コウジカビ菌のバランスを整えていきます。

酒種は、あんぱんの木村屋さんが考案した発酵種だそうです。ヨーロッパのようなパンをヨーロッパ独自の発酵種で焼こうと試みたところうまくいかず、日本独自の種でチャレンジしたのが始まり。日本人好みの柔らかくもっちりとした食感に焼き上げるために、日本酒作りの工程を参考にして、大変な苦労をされて考案されたものだそうです。当時の職人さんはデリケートな酒種を壺に入れて管理し、夜も肌身離さず過ごしたそうですよ。今ではメソッドが確立され、酒種は家庭でも簡単に起こすことができます。身近な酵母になりましたね。

また酒種にはデンプン分解酵素(アミラーゼ)がたくさん含まれています。これは生地の糖化に役立ちます。酒種を使用した生地は比較的色づきやすく、甘い生地になるのはこのためですね。

酒種の使い方

こちらの酒種は、冷蔵庫(4℃以下)で管理することで、完成してから5日たっても、酵母の発酵活性は70-80%維持されるそうです。これを聞くと5日間はストレートで使用できそうですが、あくまでも一定の温度下で適切に管理された場合だけなので、発酵力に不安があるようであれば必要に応じてイーストを併用してください。具体的な使い方は、加水の一部を酒種に置き換えて使用します。私は5-20%くらいをおきかえるようにしています。

酒種は水分量が65%くらいです。粉量100g、加水70%の生地で、「70gの水」を「酒種10%+水」に置き換える場合は、「酒種10g+水63.5g」に置き換えます。酒種10g中、水分が6.5g。必要な加水は70g-6.5g=63.5gという計算になります。

酒種を使う場合の注意点

酒種にはタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)が含まれます。パンはこのタンパク質が骨格になって、気泡を閉じ込め、縦に膨らんでふっくらするのです。なのでタンパク質分解酵素が活発に働いて生地の分解が進むと、生地が切れたり溶けたりします。そこまでいかないにしても、生地が横に広がりやすくなり、「ダレる」と表現される状態に陥ることがあります。酒種を使用する場合はこの点に特に注意する必要があります。

対策としては、発酵活性が維持された酒種を適切に使用すること、生地の温度管理を徹底すること(28℃〜38℃帯以上に長くおかない)があげられます。実際に作ってみた体感としては、しっかりと管理された酒種であれば、食パン生地などの最終発酵35℃で1-2時間ほどの管理は特に問題なく行えたので、ご自身の育てた酒種の状態と相談して、生地管理の方法を工夫してみてください。

■酒種を使用したレシピ