酒種ミルク角食🍞 | オーバーナイト法

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■酒種ミルク角食の作り方🍞

 配合

1.5 斤型 | 2,660mlの型1台分

▶︎スティフスターター

強力粉キタノカオリ(20%)86g
酒種(10%)43g
牛乳(5%)21.5g

▶︎生地

スティフスターター
強力粉キタノカオリ(80%)344g
グラニュー糖(5%)21.5g
牛乳(45%)193.5g
水(10-15%)43-64.5g
パルテノ(10%)43g
塩(1.6%)6.9g
バター(5%)21.5g

ポイント

◆計算の参考にどうぞ↓

型比容積/3.2くらい
TB%/191.6-196.6%

型の大きさはわかってる、でもどのくらいの量の生地を入れたらいいかわからない😤
 (型の容量2,660ml)÷(型比容積3.2)=(生地量831.25g)
 つまり830gくらいの生地が必要。

生地の量はわかった、でも粉の量が計算できない😤
 (生地量831.25g)÷(TB%/100, 1.966)=(仕込みの粉量422.8g)
 つまり423gくらいの粉で仕込めばOK。生地ロスも考えて430gで仕込もう!!

あとはなんとなくご自身で計算してみてね☺︎

◆酒種でゆっくり時間をかけて発酵させるので、滋味深く甘みのある生地になります。発酵と分解のバランスをとるためにも、事前にスターターを準備してあげると安心です。

◆自家培養酵母、しかも米麹入りの酵母の長時間発酵なので、一貫して温度管理が大切です。生地温度は、最終発酵時をのぞいて、必ず28℃以下でコントロール

◆水分量は10-15%と幅をもたせていますが、練習するなら最低値で、上手になったら上限いっぱいでトライしてみてください。動画は上限いっぱいでつくっています。計算上はTH73.5%くらいです。

覚えておきたいのは水分値が高ければ、ミキシングは長くなります。低ければ短くなります。逆に発酵は水分値が高ければ早くなります、低ければ遅くなります生地のダレや分解も水分値が高くなれば早くなり、低くなれば遅くなります。それだけ頭に入れておくと、いろいろ調整しやすいと思います。

材料について

◆キタノカオリはとてもおいしい内麦(たんぱく値12%, 灰分52%)です。キタノカオリは置き換え不可です。必ずこの粉を使ってください。適正吸水量はロットによって変わるので、ご自身で、粉にどのくらいの吸水のキャパシティがあるのかをご判断ください。

◆砂糖はグラニューなどの精製された糖を推奨します。自家培養酵母使用で、加水も高いので、長時間の発酵中に生地切れなどを起こすことがあります。風味付けにはちみつや茶色い砂糖を加える場合は、控えめにしてください。

◆酒種の作り方はこちらを参考にしてみてね↓。

酒種 の 作り方

 フロー

◆スターターを作る

発酵
25-28℃ / 2-3時間 / 3倍になるまで

なぜいつもより発酵温度が低いの?

それは……夏だから!! 室温が25℃を超えてくると、このあとの酵素のコントロールがけっこう大変💦 冬なら28-30℃で2時間でOKだけど、夏場は念のため低めの温度でキープしてるよ。

◆生地を作る

捏ね上げ温度
25-27℃

分割は3分割
ひとつおよそ280gくらい

冷蔵発酵
2-8℃ / 18-24時間 / 見た目としてはふっくら1.8-2倍になるくらい
(復温でコントロールするのでどのくらいでもOK)

復温
25-27℃ / 30-60分 / 3倍になるまで

成形
U字成形or俵成形

最終発酵
28-35℃ / 湿度75-80% / 30-75分 / 型の8-9割に膨らむまで

◆焼成する | 1.5斤型の場合

予熱210-230℃
焼成200℃/20分, その後180℃/8-10分

ポイント

フローは目安です。生地の状態を見極めながら、各工程を調整してください。焼成温度はお持ちのオーブンに合わせて調整してください。

■スティフスターターを作る

酒種、牛乳、キタノカオリを合わせてざっくり捏ねる。粉気がなくなったら軽く押しごねする。軽くで十分、まとまったら丸めて発酵させる。

スターターの発酵
25-28℃ / 2-3時間 / 3倍になるまで

発酵温度は少し低めで

夏場は酵素のコントロールがむずかしいので、念のため、少し低めの温度で発酵をとっています。「いつもの28-30℃だと生地が即座に溶けはじめる……」なんてことはないけれど、前半の早い段階で、生地がたびたび高い温度にさらされると、後半の生地に影響がでてくることがあります。

前半は生地温度が28℃を大幅に超えないようにしておくと、後半も安心です。

■生地を作る

スティフスターター、牛乳、水、パルテノ、キタノカオリ、グラニュー糖、塩をワークボウルに入れて、低速でミキシングする。材料が混合されるまで。

ビーター使ってるのはなぜ?

これは私のミキサーの問題なので、みなさんはドゥフックを使ってくださいね💦 スタンドミキサーの場合、ワークボウルのサイズと生地量、それからフックとボウルのクリアランスの問題で、生地がフックにかかりにくいことがあります。注意です。

手捏ねも機械捏ねもやることは一緒です。ミキシングの初期は引き伸ばしがメインです。ワークボウルに生地が張り付き、それをフックで絡め取ることで引き伸ばしをします。その動作がちゃんと行われていればいいので、生地の様子を確認しながら、速度やフックを選んでください。

こまめに生地の天地を返して、捏ねムラがでないようにします。

材料がまざったら、中速でミキシングする。生地が均一につながって、ある程度の膜(厚くてOK)が張るようになるまで。

バターをちぎって生地の中に散らす。中速でミキシングする。バターを加えていちど荒れた生地が再びつながって、とろとろとしてツヤ感のある状態になるまで。(最後に2-3分だけ高速で捏ねてあげると良い)

ミキシングの基本動作

ミキシングの基本動作は引き伸ばし、折りたたみ、叩きつけです。これが循環して、生地が効率よくつながっていきます。この3つの動作がワークボウルの中で行われていればOK。

ミキシングが終わるまでに達成しておきたいことは……
・材料の混合、分散、均一化
・空気の混合、分散、均一化
・グルテン構造の構築
これらが達成できるように、ミキシングを調整します。

細かなポイントは動画でチェックしてくださいね。

ミキシングの仕上げ

生地感は動画で確認してください。とろとろになっているのがわかると思います。

最後、高速で少しまわしてあげるといいんですが、いちど高速で回したら、低速に戻さないようにしてね。生地の伸びが悪くなることがあります。注意です。

■発酵をとる

3分割して発酵容器にうつす。冷蔵庫に入れて発酵させる。

冷蔵発酵
2-8℃ / 18-24時間 / 見た目としてはふっくら1.8-2倍になるくらい
(復温でコントロールするのでどのくらいでもOK)

■復温をとる

生地を復温させる。

復温
25-27℃ / 30-60分 / 3倍になるまで

■プレシェイプをする

次に成形しやすいように軽く形を整える。ベンチタイムをとる。

ベンチタイム
2-8℃, もしくは室温25-27℃で / 30分くらい

ベンチタイムは冷蔵庫も視野に入れて

プレシェイプでガスを抜ききっていないですし、次の成形でも、あまりしつこくガスを抜かないで仕上げていくレシピなので、吸水が高い場合は、生地温度が高くなればなるほど、成形時に生地の表層を張らせるのが難しくなります。ご自身のスキルに合わせて、生地を冷蔵庫で冷やして扱いやすくしてください。

ここで生地を冷やすことには賛否ありそうな気もしますが、室温が高めの夏場は、最終発酵にそれほど影響が出てくることもないでしょう。型入れして焼くパンなので、ブリスターも気にしなくていいですしね。

必要に応じて、ベンチタイムの温度をコントロールしてください。

■成形する

▶U字成形

▶俵成形

成形はYouTubeを参考にしてください。これはそのうち、成形の部分だけまとめた動画をUPしますね。

■最終発酵をとる

最終発酵
28-35℃ / 湿度75-80% / 30-75分 / 型の8-9割に膨らむまで

最終発酵の温度

最終発酵がなんのためにあるのかというところを確認します。

最終発酵は、窯入れのための準備です。つまり、基本的には、①生地の力を八割まで使って生地を膨らませて、②生地の温度を必要な高さまで上げて、③窯伸びを適正な時間内に適正なところまで伸ばして終わらせるためにあります。

角食パンのような大型のパンや、糊化温度の高い生地は、生地の温度を上げてあげるのがセオリー。酒種生地であっても当然それが理想です。

酒種の発酵活性が正しく高く、また前半で生地の温度や酵素のコントロールがきちんとできていれば、最終発酵は35℃でも十分にとれます。最終発酵は2時間以内に終わるはずだからです。これ以上、時間がかかると、生地が緩んだり溶けたりして、窯の中で伸びてくれないことがあります。

なので、酒種の発酵活性に自信がない場合、あるいは生地の温度コントロールにも自信がない場合は、最終発酵を28℃以下でとることもやむを得ません。

自信がある方はぜひ35℃でとってください。それが理想の温度帯です。この生地の場合は、35℃なら1時間かからないと思います。

■焼成する | 1.5斤の場合

予熱210-230℃
焼成200℃/20分, その後180℃/8-10分

■完成!!

■酵母と製法

 酵母:酒種

今回は酒種を事前に「発酵種 / スターター」にして使用します。冷蔵発酵中、生地の管理ができない時間が長時間つづくので、できるだけ種の中の微生物のバランスを整えておいてあげたいからです。

分解熟成が優位に働いてしまうと、生地が長い発酵に耐えられない場合があります。生地の中はいつでも微生物同士の陣取り合戦中なので、発酵活性を上げてあげるだけで、その他の活性は少しおさえられます。そんな考え方でレシピを組み立てています。

 製法:オーバーナイト法

低温長時間発酵、冷蔵長時間発酵とも。生地を低温で発酵熟成させる製パン法。パン生地を低温、もしくは冷蔵庫に入れることでイーストの活動がゆるやかになり、ゆっくりと発酵、熟成する。生地の熟成が進むので、発酵生成物の蓄積が期待できるため、甘みや旨みののった生地になる。

発酵熟成の期間はある程度の長さを確保しないと期待するほどの効果は見込めない。仕込みの時間によってはひと晩寝かせることもできるので、オーバーナイト発酵と呼ばれる。もちろんひと晩、以上寝かせる場合もある。

低温の定義は曖昧。