パンを焼いてみようと思ったら、まずここをチェック✔︎しましょう!
初めてパン作りに挑戦されるかたに、基本的な工程と必要な道具や材料についてご紹介します。はじめに①基本的な製パンの流れをつかみます。つづいて②作ってみたいパンを決めましょう。必要な材料や道具は作りたいパンによって変わってきます。全部が手元にそろったら、いよいよ③パン作りスタートです。
こちらのページは基本をざっとさらう場合にご活用ください。より詳しく解説した用語集も、発展途上ではありますが、ご用意しました。ぜひお役立てください。
■パン作りの基本的な流れ
まずはパン作りの基本的な工程を知っておくと、一般的なレシピサイトで紹介されているレシピが頭に入ってきやすいと思います。
❶計量
❷材料混合 / ミキシング
❸捏ね / ミキシング
❹一次発酵
❺ガス抜き
❻分割
❼予備成形/丸め直し
❽ベンチタイム
❾成形
➓二次発酵
⓫仕上げ
⓬焼成
❶計量
材料を計量します。
❷材料混合 / ミキシング
計量した材料を均一にまぜます。
❸捏ね / ミキシング
生地に摩擦を与えたり、引き伸ばしたり折りたたんだり叩いたりしてグルテンを強化します。しなやかで伸びの良いパン生地を作るために重要なプロセスです。
❹一次発酵
捏ねたパン生地を酵母の力でふっくらと膨らませます。生地を伸張させ、グルテン組織を更に鍛える効果があります。生地中に発酵生成物を蓄え、生地の香味をアップさせる効果もあります。フロア/フロアタイムと表現する場合もあります。
❺ガス抜きとパンチ
発酵したパン生地を優しく押さえて、発酵で生地の内部に蓄えられたガスを逃がし、酵母に新しい呼吸を促します。酵母を活性化させたり、生地温度を下げたり、気泡を均一に整える役割もあります。また、発酵で緩んだ生地を引き伸ばしたり折りたたんだりすることで、再び緊張感を持たせたり、グルテン組織を更に複雑に絡めて強化する目的もあります。
❻分割
パン生地を仕上げたいパンのサイズに切り分けます。
❼予備成形 / 丸め直し
切り分けた生地を丸め、成形を行うための下準備をします。生地表面にハリを持たせたり、生地を次に行う成形の前段階の形に整えたりします。
❽ベンチタイム
分割と丸め直しで締まったり傷んだりしたグルテンを修復し、緩めるために、生地を休ませます。
❾成形
生地を最終的に仕上げたい形に整えます。
➓最終発酵 / 二次発酵
成形したパン生地を酵母の力でふっくらと膨らませます。ホイロ、ホイロをとる、と表現する場合もあります。一次発酵よりシビアな見極めが必要になります。発酵が足りないと、窯での生地の伸びが足りなくなったり、発酵がいきすぎるとパンの表層、内相が乱れたり、ガスを保持できずにしぼんだりします。
⓫仕上げ
パン生地に卵や牛乳を塗って色づきを良くしたり、粉をふったり、生地に切り込みを入れて蒸気の逃げ道を作ったりして、焼成の準備をします。
⓬焼成 / 窯入れ
パン生地を焼き上げます。
■パンの種類
日本人の私たちにも、パンはすっかりおなじみの主食になりつつあります。パン文化が輸入されてから、日本は独自に製パン技術を高めて、日本ならではの魅力的なパンをいくつも生み出してきました。生食パン、あんぱん、メロンパン、コッペパン……他にもいろいろありますね。もちろん日本だけでなく、世界各国においしいパンはあふれています!まずはその一部を、写真とともにご紹介します。
まだレシピのご紹介までたどりついていないパンもたくさんありますが、ご参考までに、画像が用意できるパンをたくさん載せておきますね。イメージだけでも掴んでいただけたら嬉しいです。
日本のパン
フランスのパン
ドイツのパン
イタリアのパン
アメリカのパン
オーストリアのパン
北欧のパン
イギリスのパン
インドのパン
中国のパン
どんなパンがあるのか、どんなパンが作りたいのか、なんとなくイメージが湧いてきましたか?まだまだご紹介できていない魅力的なパンが、世界中にたくさんたくさんありますが、少しずつ情報を更新していく予定です。
そして作りたいパンが決まったら、次は材料と道具をそろえます。
■パンの材料
主材料
小麦粉、酵母、水、塩の4つの材料を指します。
小麦粉
- 強力粉
- 準強力粉
- 薄力粉
- 小麦全粒粉など
パンの骨格になる材料です。小麦の主成分であるタンパク質の含有量によって少し呼び名が変わります。多い方から強力粉、準強力粉、薄力粉と区別されます。ふっくらと大きく、伸び良くボリュームのあるパンを仕上げる場合は強力粉を、パンの口どけや歯切れの良さを求めたり、生地を成形する際に長く伸ばしたり編んだりなど少し複雑な成形をする場合などには、準強力粉や、強力粉に薄力粉を混ぜると作りやすいです。パンの骨格には、強力粉、準強力粉、薄力粉、小麦全粒粉などの小麦粉類を使用するのが一般的ですが、その他の粉(米粉・ライ麦粉・蕎麦粉・セモリナ粉など)を配合することもあります。
酵母
パン生地を発酵によって膨らませることができる天然の微生物のことです。
天然でない酵母は存在しませんので、一部商品名を除き、天然酵母という表現は控えます。
- 市販の酵母(イースト・ほしの天然酵母・白神こだま酵母など、工場などで純粋培養したもの)
- 自家製酵母/自家培養酵母(レーズン酵母・ヨーグルト酵母・酒種など家庭で培養したもの)
水
材料を混ぜ合わせ、つないでひとかたまりにしてくれる大切な存在です。酵母は水分のないところでは働けませんし、小麦の中のグルテンもまた水分のないところでは繋がることができません。
塩
パン生地を引き締め、また味わいも引き締めてくれる大切な縁の下の力持ちです。発酵や酵素の働きを和らげたり、殺菌効果を発揮したりする役割もあります。
副材料
小麦粉、酵母、水、塩、以外の材料を指します。ここでは主なものをご紹介します。
糖分
酵母の餌になって発酵の促進に役立ちます。生地に甘味をつけたり、焼き色や香ばしさを添加するのにも一役かっています。また、保水性が高くパンの老化を防ぐ効果もあります。特にはちみつは酵母の即時的な餌になりますし、保水性もたいへん高く、生地にしっとりとした食感を与えます。パンを美味しく焼き上げるための大切な立役者です。
- はちみつ
- メープルシロップ
- 砂糖など
乳製品
パン生地に乳製品の香りや旨味を添加するとともに、栄養面の補強や生地の老化を遅らせる効果、また焼き色を濃くする効果があります。また一部乳製品は、生地のキメを細かくしたり、生地の模様や形を狙い通りに維持するのに役立つ場合もあります。
- 牛乳
- スキムミルク
- 練乳など
卵
パン生地に卵の風味を添加したり、口あたりをふんわりソフトに、なめらかにする効果があります。時間が経ってもやわらかさがある程度、持続します。卵白はタンパク質の凝固により、パンにパサつきを与える印象があるので、私はあまり使用しません。
油脂
固形油脂と液体油脂があります。油脂は小麦の水和やグルテン形成の妨げ(遅延)になったりしますが、固形油脂はパン生地の伸縮性を高めて生地を傷みにくく、膨らみやすくしたり、保水性を高めて仕上がりのしっとり感を持続してくれたりします。液体油脂は、生地の表面をコートする役割を果たし、クラストを歯切れよくしたりクラムをソフトにしてくれます。
- バター
- ショートニング
- 米油など
■パン作りの道具
必ず必要なもの
- スケール
- ボウル
- カード/スケッパー/ドレッジ
- オーブンシート
- オーブン
道具については、基本的には、上記以外のものは必ずしも必要ではありません。作りたいパンに合わせて、徐々に買いそろえていくと良いかと思います。スペースについても、こねる場所は清潔に拭きあげたキッチン台でも充分ですし、発酵場所も工夫次第でなんとかなります。
ただ、このほかにも、手元にあると確実にスキルがあがる道具もあります。
あったらいいな、と思うもの
- こね台
- 麺棒
- 生地に合わせたサイズの発酵容器
- 温度計
- ハケ
- パンマット
- 発酵カゴ
- パン型
- スタンドミキサーやニーダー
- 発酵器など
欲望は尽きません。製パン関係のギアはどれもそこそこ高価ですし、かさばります。お財布と、ご自宅のキッチンの収納スペースと相談して選んでいってください。
作りたいパン、基本的なパン作りの工程や材料が決まったら、いよいよパン作りのスタートです。知っておくといい製パン用語を以下にまとめておきました。まだ発展途上ですが、ご活用くださいね。
■パンの用語集
わからない言葉があったら、「パン作りの用語集」をチェックしてみてください。少しずつですが、これからも更新していきますね。