パンの基本 +
「高加水フォカッチャ」の作り方。
高加水フォカッチャ
21枚取りバット 1枚分
■高加水フォカッチャの作り方
フロー
■生地を作る
混ぜあげ温度
10-25℃
オートリーズ
30-60分
捏ねあげ温度
20-23℃
予備発酵 + 一次発酵/冷蔵発酵
25℃ / 膨倍率1.5倍
冷蔵 / 12-18時間 / 膨倍率2倍
最終発酵
25-28℃ / 生地が緩むまで30-40分
焼成
予熱 300℃
焼成 300℃ / 10-13分
1
強力粉、水を合わせてよく混ぜ合わせます。
混ざったらオートリーズを取ります。
オートリーズ
25℃ / 30-60分
2
酵母類を加えて混ぜ合わせます。
3
塩を加えて混ぜ合わせます。
完全に混ざったら、3分ほど、ボウルの中で捏ねます。
オイルを加える前に、生地を10分、休ませます。
レスト
25℃ / 10分
4
オリーブオイルを加えます。
ボウルの中で生地を引き伸ばして折りたたみながら、オイルを馴染ませます。
こねあげ温度
20-23℃
5
生地を15-20分、休ませます。
6
折りたたみと引き伸ばしを、縦横それぞれ1回ずつ行います。
7
生地を再度、15-20分、休ませます。
8
折りたたみと引き伸ばしを、縦横それぞれ1回ずつ行います。
9
予備発酵させます。
予備発酵 / フロアタイム
25℃ / 1.5-2時間 / 1.5倍
発酵膨倍率1.5倍、予備発酵後の生地です。
10
冷蔵発酵させます。
冷蔵発酵
12-18時間 / 2倍
発酵膨倍率2倍の生地です。
11
型入れします。
12
最終発酵させます。
最終発酵
25-28℃ / 30-40分 / 生地が緩むまで
発酵後の生地です。
13
仕上げをします。ガーリックオイルをふりかけて、生地全体に穴をあけます。岩塩、ブラックペッパーを散らします。
発酵後の生地の取扱いの全ての工程が複雑に絡んでパンの仕上がりに影響するので、ご自身の大切にしたいことを明確にして、ひとつひとつ加減しながら仕上がりの確認をすると良いと思います。
14
焼成します。
予熱 300℃
焼成 300℃/10-13分
15
完成!
今回は動画にポイントが詰まっていますので、動画をあわせてご覧ください。
■フォカッチャとは
フォカッチャとは?
フォカッチャとは?
「火で焼いたもの」という意味の、古代ローマから伝わるイタリアの伝統の食事パン。オリーブオイルとともに生地の表層に穴をあけることで、香ばしく、歯切れよく、また比較的、たいらに焼き上げる。
本場ではデュラムセモリナ粉を配合したレシピもあるようです。日本では丸く小さく成形するフォカッチャも多いですが、イタリアでは大きなスクエア型に焼き上げ、切り分けて食べたりするのだそう。
オリーブやローズマリー、ドライトマトなどをトッピングする、食事系レシピが主流ですよね。でも砂糖やバターを散らして焼いた「フォカッチャ・ドルチェ」と呼ばれるものもあるみたい。面白いですね。それならばオイルは溶かしバターに変換して、バターの香りたっぷりで作ってみたいものです。
フォカッチャに穴を開ける?
穴を開けないフォカッチャもあるようです。火通りを良くするためと言う方もいらっしゃいますが、いちばんは、膨らませたくないからなのかなあ、と思いながらいつも焼いています。
食事のはじめ、まず表面をはがしながら食べて、内側のモチモチした部分はメインのお料理と共に食べるのがイタリア流だそうです。だから表に具をのせて飾るんですね。なるほど。こちらの情報は又聞きなので、知識として使用される場合はご自身でもお調べください。
もちろん具をたっぷりはさんでサンドイッチにして食べるのもよくみかけますね。今回はクリームチーズ、ルッコラ、生ハム、ブラックペッパーでサンドイッチにしました。とーってもおいしかったです!
■高加水の型焼きフォカッチャで使用する酵母と製法
ルヴァンリキッド
今回使用してる酵母はTA210のルヴァンリキッド。詳しくは「ルヴァンリキッドの作り方」をご確認ください。
ルヴァンリキッドだけでは発酵活性に不安が残りますので、今回は市販の酵母を加えています。ルサッフル社のインスタントドライイーストサフ赤です。
小麦を発酵させた発酵種特有の香りが添加できるので、仕上がりのパンの香りがガラッと変わります。ただこういった風味については完全に個人の好みに左右される問題ですので、ご自身が美味しいと思う酵母に置き換えて作っていただいてかまいません。自家製酵母の選択は、レシピの中でも最も自由度の高い部分だと思います。
もちろん市販の酵母のみで作ることもできます。こちらにはインスタントドライイーストサフ赤のみで発酵をとる配合例を載せておきますね。
イーストだけの配合例
・マニトバオーロ 100%
・水 79-80%
・インスタントドライイースト 0.1%
・塩 1.8%
・オリーブオイル 4%
オートリーズ
ミキシングの途中に生地を休ませ、二段階でミキシングを行う方法。もともとはフランスパンの製法。小麦粉、水(+モルト)を合わせてミキシングしてから、生地を20-30分休ませ、その後、酵母と塩を加えてミキシングを終える。
生地中の酵素分解を促し、旨味と甘味を増強する。生地の緊張を和らげ、伸びのいい状態にして、ゆるやかにグルテンをつなげる。酵素の働きのおかげで、オートリーズ後に加える酵母の発酵がスムーズになる。
後塩法
アトジオ法、コウエン法。ミキシングの際に、塩を後入れする製パン法。塩を加える前に小麦に水を充分に吸わせ、効率よく水和させることで、生地作り初期のグルテン骨格の構築をより効率的に進める製法。ミキシングの時間を短縮することができる。
オーバーナイト法 / 低温長時間発酵法
低温長時間発酵、冷蔵長時間発酵とも。生地を低温で発酵熟成させる製パン法。パン生地を低温、もしくは冷蔵庫に入れることでイーストの活動がゆるやかになり、ゆっくりと発酵する。発酵熟成の期間はある程度の長さを確保しないと期待するほどの効果は見込めない。
仕込みの時間によってはひと晩寝かせることもできるので、オーバーナイト発酵と呼ばれる。もちろんひと晩、以上寝かせる場合もある。