オーバーナイト法で焼こう!
少しのイーストとはちみつで作る【大葉のカンパーニュ】の作り方。
カンパーニュとは?
フランス生まれの田舎パンです。日本では丸い形にうずまき模様のものをよく見かけるかもしれません。でも本当はもっと幅広く、いろんな形のものがあります。別名は「パン・グランメール」。おばあちゃんのパンという意味だそうです。かつてはパリ近郊の地域の人々が作り、パリに住む人々が買う、という歴史がありました。それぞれの家の自家製酵母でゆっくりと発酵させて作っていたそうですよ。素朴な味わいなのに粉の風味がしっかり活きており、毎日食べても食べ飽きないおいしいパンです。
夏ももう終わるんですが、遅ればせながら夏っぽいカンパーニュを作りました。手ごねで、夏バージョンのメソッドでこねています。夏のパン作りは生地温度のコントロールに苦労するかと思うのですが、材料を冷やしながらこねていくので、この方法なら23℃以下でのコントロールも容易です。この温度とこのお世話(材料の追加やこね、折りたたみなど)のタイミングを心がけて作ってみてください。
強力粉→キタノカオリ
石臼挽き粉→グリストミル
ライ麦全粒粉→北海道産細挽き
木琴堂チャンネルでは長野県【安曇野養蜂苑】のアカシアはちみつを使用しています。
■YouTube
■材料
—-21cm オーバル型
・強力粉 184g(80%)
・石臼挽き粉 23g(10%)
・ライ麦全粒粉 23g(10%)
・水 164g(71%)
・ルヴァンリキッド 28g(12%)
・インスタントドライイースト 0.4g(–)
・水 4g(2%)
・はちみつ4.6g(2%)
・塩 4.6g(2%)・水 13g(6%)
・大葉 20枚
焼成
予熱 300℃
生地をオーブンに入れたら5分間まつ
焼成 250℃で30〜35分
インスタントドライイーストはサフ赤です。
焼成温度はお持ちのオーブンに合わせて調整してください。
ルヴァンリキッドを加えない場合
・強力粉 184g(80%)
・石臼挽き粉 10g(10%)
・ライ麦全粒粉 23g(10%)
・水 164g(71%)166g(72%)
・ルヴァンリキッド 28g(12%)
・インスタントドライイースト 0.4g(–)
・水 4g(2%)
・はちみつ4.6g(2%)
・塩 4.6g(2%)
・水 13g(6%)
工程も分量も大きな変更はありません。発酵具合など多少変わってくるかもしれませんが、生地の状態を見て、時間調整してください。
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■作り方
フローチャート
パン作りの流れをざっとさらいます。おおよその時間割です。ここでの時間割は手ごねで作る場合、しかも夏用のフローです。ニーダーやスタンドミキサーを使用される場合は、生地の状態を確認しながら作ってください。
計量・下準備(5分)
↓
ミキシング(3分)
↓
オートリーズ(30分)
↓
ミキシング(5分)
↓
レスト(10分)
↓
酵母追加+ミキシング(3分)
↓
レスト(5分)
↓
塩水①追加+ミキシング(3分)
↓
レスト(5分)
↓
塩水②追加+ミキシング(3分)
↓
レスト(5分)
↓
グルテンチェック(1分)
↓
レスト(20分)
↓
大葉の折り込み(5分)
↓
レスト(20分)
↓
折りたたみ①(1分)
↓
レスト(20分)
↓
折りたたみ②(1分)
↓
レスト(20分)
↓
折りたたみ③(1分)
↓
レスト20分
↓
折りたたみ④+オーバーナイト発酵
↓
復温
↓
丸め直し(3分)
↓
ベンチタイム(30分)
↓
成形・型入れ(5分)
↓
最終発酵
↓
仕上げ(1分)
↓
焼成(35分)
大葉のカンパーニュの生地管理
こねあげ温度
21〜23℃
予備発酵(一次発酵/フロアタイム)
23℃前後、湿度70%以上、20分毎の繰り返し
最終発酵(二次発酵/ホイロ)
25℃前後、湿度70%以上、30分〜1時間
あくまでも目安です。要所、要所で、生地の温度や質感を見極めてください。
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■工程
上記のフローチャートに沿って、具体的な工程やポイントを確認しながらパンを焼いていきます。このメソッドは夏用のものです。
下準備
塩水の準備をします
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塩、塩用に取り分けた13gの水を合わせてよく溶かし、冷蔵庫で冷やしておきます。
塩水
塩の粒子をあらかじめ溶かして生地に混ぜやすくすること、こねと発酵で生地温度が上がりすぎてしまうのを抑えること、高加水生地に水を入れやすくすること、これら三つの目的があります。この塩水を数回に分けて加えることがバシナージュの工程も担います。
粉類の準備をします
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キタノカオリ、グリストミル、ライ麦全粒粉を合わせておきます。
キタノカオリは国産強力粉、グリストミルは石臼挽き粉、ライ麦全粒粉は北海道産のライ麦粉を使用しています。
大葉の下準備をします
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大葉をよく洗って、水気を拭き取ります。荒いみじん切りにします。
早く準備しすぎると大葉が萎れてしまうので、折り込みの少し前(レストの間)に準備しておくと良いと思います。
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粉類に水を加え、ひとかたまりになるまで混ぜます。
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粉っぽさがなくなるまで混ぜたら、生地を30分ほど休ませます。
生地を休ませる間は、常に、乾燥を防ぐための工夫をしています。私の場合は、ポリ袋に霧吹きをして、ボウルごと袋に入れて生地を保管します。サランラップでも大丈夫です。しっかりと保湿してください。
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ボウルの中で5分ほどこねます。
生地はよく伸びるようになっています。引き伸ばして折りたたみます。全体を一通り折りたたむと、生地が弾力をもって抵抗するようになります。そこからは、生地の底面に手を差し込んで、あやすようにして生地を内側から伸ばしていきます。
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5分こねたら、10分間休ませます。
ハードパンの生地は休憩と負荷を交互に与えながら、脆いけれど伸びの良いグルテン膜を作っていくのだそうです。この「脆いけれど伸びがいい」というのが私もまだ掴みきれなくて迷いがある部分です。ただ、負荷を与え続けるよりは、今回のように10分ないし5分の休憩を挟みながら、短時間、しかも低負荷のこねを心がけてあげると、理想に近い仕上がりになるので、現時点ではこの方法に落ち着いています。海外のパン屋さんがスパイラルミキサーの低速のみでこねあげているメソッドを参考にしています。
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ルヴァンリキッドを加えます。
夏場なので、ルヴァンリキッドは復温させずに冷蔵庫から出したてを使います。
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インスタントドライイーストをイーストのために取り分けた水4gに溶かしてから、加えます。はちみつもここで加えます。
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すぐに酵母類を生地に揉み込みます。全体が均一になるまでよく混ぜます。
ルヴァンリキッドが冷えているので、インスタントドライイーストはあらかじめ水に溶かして加えています。
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混ざったら、生地を5分間休ませます。
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塩水の半量を加え、よく混ぜます。
室温にもよりますが、夏場は生地温度23℃以下をキープするのは難しいと思います。冷たい塩水はかなり有効です。塩の粒子がすでに溶けているので、塩の粒子を溶かすためにこねすぎて生地の温度が上がることも防げます。ぜひお試しください。
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混ざったら、生地を5分間休ませます。
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残りの塩水を加え、よく混ぜます。混ざったら、生地を5分間休ませます。
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グルテンチェックをします。
切れてもいいので、よく伸びて薄膜になるくらいに育っているかどうか確認します。万が一、膜にムラがあったり、薄く伸びる前にギザギザに切れてしまうようだったら、追加で数分こねてください。
生地ができていたら、20分間休ませます。
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こね台に霧吹きをして、生地を広げます。
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大葉を散らして折り込みます。
目的はラミネーションではないので、さほど薄く広く伸ばす必要はありません。この後の4回の折り込みも加味して、大葉が全体に満遍なく散るくらいの広さで伸ばしてください。
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ボウルに戻して、折りたたんで形を整え、20分間休ませます。
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この後、生地を休ませる中で、4回、20分ごとに生地を折りたたみます。
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4回目の折りたたみの後、平たい容器に広げて、オーバーナイト発酵させます。
こねあげ温度
21〜23℃
オーバーナイト発酵中は密着ラップをおすすめしています。今回は加水が高いので、ラップを密着させると生地とラップがかなりベタつくと思います。ラップにショートニングなどを塗っておくと、翌日、はがしやすいです。
オーバーナイト発酵
オーバーナイト発酵(低温長時間発酵)は、やり方は様々ですが、多くは10〜22℃くらいで、10時間保存、24時間保存、などというように指南されている講師さんや書籍が多いかと思います。これって家庭ではかなり難しいです。ですから家庭で行うオーバーナイト発酵は、冷蔵庫の野菜室5〜8℃を使用します。4℃以下の冷蔵庫内ですと酵母はほとんど働けないので、野菜室に入れる訳です。
野菜室ではなく普通の冷蔵庫内で熟成させることもできます。この場合はもっと時間がかかりますし、いくつかの工夫が必要です(イーストを増やしたり、復温時間を長めに取ったりなどなど)。
発酵速度というか、発酵の勢いみたいなものは、生地を冷蔵庫に入れる前の予備発酵や、生地保存中の温度や湿度の他、生地に加えるイーストの量や加水量、糖分、酸素の量や生地の酸度などでも変わってきます。それらを工夫すれば、発酵速度はある程度コントロールすることが可能です。これらをコントロールして、最も適したやり方を探すトライアンドエラーが、オーバーナイト発酵と付き合っていくためには必要かもしれません。
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復温も含めて発酵倍率1.8倍くらいで切り上げます。
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生地をこね台に出して、丸め直します。その後、生地を30〜40分、休ませます(ベンチタイム)。
丸め直しのきつさによってベンチタイムが変わってきます。動画ではかなり締めています。ベンチタイム30分ではちょっと足りなかったので、締め具合でベンチの時間を見直してみてください。
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成形し、型に入れます。
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生地を引っ張りすぎて切らないように気をつけながら、成形してください。
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最終発酵させます。
ひと回りふっくらする程度で大丈夫です。
温度25℃前後/湿度70%以上
目安30分〜1時間
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型から出して、クープを入れてから焼成します。
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焼成
予熱300℃
生地をオーブンに入れたら5分間まつ
焼成250℃で30〜35分
私のオーブンはパナソニックのビストロです。最上段に天板を一枚、裏返しに入れています。庫内底にお湯を注ぐ受け皿を置いています。下段に鉄板を入れており、そこに生地を乗せます。予熱に30分、その後10分空焚きします。庫内入り口の実測温度250℃で生地を入れます。受け皿に熱湯を注いで5分待ち、その後焼成を開始します。ここについては後の考察で触れますね。
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■夏のカンパーニュ
ミキシング
夏はパン作りにとって厳しい季節だと思います。バターの折り込みが入るパンとハードパンは特に厳しいですよね。ハードの場合、生地温度23℃以下を守るためにいくつかの工夫をしています。今回ご紹介した【大葉のカンパーニュ】は、夏用のメソッドでこねています。海外のパン屋さんがスパイラルミキサーの低速のみでこねあげているメソッドを参考にしました。
生地の加水はトータルで80%です。流行りのカンパーニュとしては標準的な加水で、強力粉をメインで使用しているので、生地は比較的まとまりが良く、固めです。メインの粉を変える場合は、加水やこね方を調整して、同じような生地感を目指してみてください。
クープとエッジの考察
私のオーブンはパナソニックのビストロ、熱風が対流するコンベクションオーブンです。最上段に天板を一枚、裏返しに入れています。庫内底にお湯を注ぐ受け皿を置いています。下段に鉄板を入れており、そこに生地を乗せます。予熱に30分、その後10分空焚きします。庫内入り口の実測温度250℃で生地を入れます。受け皿に熱湯を注いで5分待ち、その後に焼成を開始します。焼成開始後、5分ほどで上段に入れていた天板を取り出します。庫内底の熱湯の受け皿に水分が残っているようであれば、その受け皿も取りのぞきます。あとは生地の様子を見ながら、途中前後を入れ替えて焼きムラを防ぎながら焼成します。
私の使用しているビストロの場合、熱風がとても厄介です。生地を入れてからの最初の5分、電源を切らずに、焼成のスタートボタンも押さずに庫内に放置することで、風を当てずに生地を縦に伸ばしています。ここで庫内の温度が下がってしまうことが多いと思うので、鉄板を入れて庫内温度を下げない工夫をしています。手早く生地を入れ、熱湯を注ぎ、庫内温度を230〜250℃くらいでキープできると理想的だと思います。バゲットの場合はこれで充分ですが、大きなパンの場合はそれ以上の温度帯でキープできるとなおいいのかも。試せないのでなんとも言えないのですが。私のビストロは、カンパーニュの場合、粉量250gを超えるとちょっと厳しいです。
熱湯を入れるのは、水蒸気で生地の表面を軽く糊化させるためです。乾かしてしまってはダメです。乾かしてしまうと生地が割れません。びしょびしょでもダメだと思います。びしょびしょだと生地の表層が必要以上に窯伸びしてしまいますし、クラストがパリッと仕上がりません。あくまでも、軽く「糊化」することが大事です。軽く糊化させると、生地の表層はそれ以上伸びなくなります。ベーグルのケトリングと一緒です。でもまだ柔らかいので、その糊化した生地の下からさらに上に膨らもうとする生地の力によって、表層がメリッと割れます。それがエッジのきわの裂け目です。
クープが開いて、生地が裂けてエッジが立つと、生地の仕上がりが変わってきます。火通りが良くなるので、クラムが軽くなります。高加水生地は中までしっかりと火を通すまでに時間がかかりますが、水蒸気の通り道を作り、生地全体に気泡を蓄えることで、比較的短時間でもしっかりと火が通ります。内相が軽く、水分もたくさん蓄えているので、(ハードにしては比較的)ふわふわのパンができます。対してクラストはバリバリです。でも翌朝になってもシワにならない、クラムもねとっとしない、ふわふわのまま、というのが高加水ハードで上手に焼けたときの私の感想です。
一方で、おいしいパンにするためには、この水蒸気の通り道ができればいいので、クープが全開になる必要はないですし、必要以上に生地を裂く意味もないのだと思います。ただある程度は開いた方がいいですし、ある程度は裂けた方がおいしい気がします。あとは見た目が格好いいですよね。満足感が違ってくるかも。
家庭のオーブンでこのクープとエッジのためにできることは、焼成方法の工夫の他に、生地作りや成形の上手さなどがあると思うんですが、お恥ずかしいんですが動画を見ていただければ分かる通り、私は成形は全く上手ではありません! それでもクープは開きますしエッジは立ちます! こんなこと胸を張って言えることではないんですが。生地ができていれば、ある程度のことはカバーできるのだと思います。生地の質感をつどつど見極めて、生地の膨らもうとする力を焼成に向けてコントロールしながら、取り組んでみてください。
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■いつもの決まりごと
オーバーナイト法の生地
冷蔵庫から出したての生地はきちんと発酵していても冷たいままです。そのまま乾燥を防ぎながら、10℃〜15℃にまで生地温度が戻って、さらに生地が期待する大きさに膨らんでくるのを待ちます。これが復温です。
このとき、発酵に利用した容器のまま復温させる場合は、生地の見極めがしやすいです。温度は測ってチェックできますし、大きさは膨らみを目視できます。ただ、この場合、容器が冷たいままですし、生地も広がっていないので復温に時間がかかるとともに、生地の発酵状態にムラが出やすいです。
ただ、今回はあえて発酵容器のまま復温させましょう! 高加水生地はとてもデリケートです。支えになっている容器から出してだらっと広げてしまうより、容器の中で常温に慣れさせてあげる方がいいと思います。発酵倍率は1.8倍。普段より少し若め、がポイントです。
オーバーナイト発酵で生地がうまく膨らまない場合
冷蔵庫内の温度が低すぎたり、予備発酵(一次発酵・フロアタイム)が短すぎたりして、生地が充分に膨らんでいなかった場合は、この復温の工程で発酵具合を調節します。
復温時間は室温にもよりますが、1〜2時間ほどかかることもあります。だから早めに生地を冷蔵庫から出して、その間は別の家事を……というように、ご自身の日常生活のもろもろのお仕事と平行でパン作りを行うのがベストです。オーバーナイト法の利点は、ある程度の「ほったらかし」が許されるところです。
ただ今回は夏のカンパーニュです。復温もあっという間だと思います。また、冷蔵庫内ですでに1.8倍になっていたら、復温は取らずに、優しく、生地を切らないように丸め直ししてください。
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■食材
強力粉
キタノカオリです。吸水、香りともに絶品です。
石臼挽き粉
グリストミルです。
インスタントドライイースト
こちらは冷凍して保存しています。特に凍って固まったりしないので、そのまま必要量だけすくいだして使います。
塩
夏場は特に粒の細かい塩をおすすめします。
■道具
ボウル
こねるときはガラスボウル。発酵の具合も全方向から確かめられます。経年劣化の濁りみたいなものも出にくいと思うので、長く使えるのではないでしょうか
私はiwakiのガラスボウルを使用しています。
野田琺瑯のバット
オーバーナイト発酵で使用しているのは野田琺瑯のバット(アイボリー)です。温かみがあって好き。ホワイトシリーズの方だと在庫があるみたいなのでホワイトシリーズのリンクを載せておきます。アイボリーは在庫があるタイミングに出会うのが難しいんですよね。悲しいな。
小さい方からキャビネサイズ、21枚取り、少しとんで15枚取りをよく使用しています。今回使用しているのはキャビネサイズ。粉量230gの発酵容器としてはちょっと小さめ。素敵な代用品があったら教えてください。
スケール
パン作りに欠かせないのはスケール。3kgまで、0.1g単位で計ることができるものをおすすめします。私が使用しているのはタニタのスケールです。
発酵カゴ
プラスチックのバヌトンを使用しています。憧れているのは、籐のバヌトンです。でも私はカンパーニュをそんなに頻繁に焼くわけではないので、洗って片付けることができるカゴにしています。今回使用しているのは小さい方です。
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