いちごみるくクリームパンの作り方





いちごみるくクリームパンの作り方。いちごが香る白パンに、絶品みるくクリームを包んで焼くクリームパンをご紹介します。


いちごみるくクリームパン / 11個分

【中種】
・強力粉 126g(70%)
・バターミルクパウダー 7g(4%)
・濃いちご酵母液 85g(47%)
・練乳 9g(5%)
【本捏ね】
・中種
・強力粉 54g (30%)
・水 31g(17%)
・はちみつ 14g(8%)
・塩 2.9g(1.6%)
・バター 14g(8%)

【みるくクリーム】
・練乳 30g
・薄力粉 15g
・砂糖 60g
・牛乳 300g
・バター 15g

【焼成】
予熱180℃
焼成150℃/10分、140℃/2-5分
ポイント

焼成温度はお持ちのオーブンに合わせて調整してください。今回はいちご酵母の色で仕上げていますが、天然の紅麹色素(0.005-0.01%)を使用されると、ほんのりピンク色が残って、より可愛く綺麗です。
木琴堂チャンネルでは長野県【安曇野養蜂苑】のアカシアはちみつを使用しています。


強力粉→1CW
酵母→濃いちご酵母液
バター→高千穂バター

■いちごみるくクリームパンの作り方

 フロー

ミルククリームを作る

中種を作る

こねあげ温度
25-27℃
発酵
28-30℃で2-4時間/膨倍率2.5倍

冷蔵発酵をとる場合は、復温後の生地が2.5倍程度になるように調整してください。

本生地を作る

オートリーズ
30分
こねあげ温度
25-27℃
発酵
28-30℃/膨倍率3倍

冷蔵発酵をとる場合は、復温後の生地が3倍程度になるように調整してください。

分割
30g/11分割

最終発酵
30-35℃/膨倍率1.5-2倍

焼成
予熱180℃焼成150℃/10分、140℃/2-5分

フローは目安です。生地の状態を見極めながら、各工程を調整してください。焼成温度はお持ちのオーブンに合わせて調整してください。

 下準備

中種を作ります

強力粉とバターミルクパウダーを合わせて混ぜます。

濃いちご酵母液と練乳を加えて、全体を手早く混ぜ合わせます。

全体が均一に混ざって、粉っぽさがなくなったら、簡単に丸めて発酵させます。

混ぜあげ温度
25-27℃

中種は、グルテンを強固に繋げ、さらに酵母量をしっかりと増やす目的があるので、水分量は少なめです。ここでは生地のキメは粗くても大丈夫です。全体が均一に混ざっていることだけ確認してください。

無水のいちご酵母がたっぷり入っているので、生地がかなり酸性に傾いています。発酵にあまり長い時間をかけたくないので、28-30℃で手早く発酵させるようにしています。2-4時間で2.5倍くらいになると思います。

発酵後の生地です。

みるくクリームを作ります

練乳、薄力粉を合わせて混ぜます❶。砂糖を加えます❷。牛乳を半量加えます❸。ダマができないように綺麗に混ぜます❹。残りの牛乳を加えて混ぜます。

電子レンジ600Wで2分間加熱します。よく混ぜます❶。砂糖の溶け残りがないことを確認したら、再び加熱します。薄力粉にしっかりと熱が入り、クリームがとろりとするまで加熱と撹拌をくり返します❷。仕上げにバターを加えて乳化させてから❸、冷蔵庫で冷やします❹。

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ボウルに中種をちぎって入れ、水、はちみつを加えて❶、軽く馴染ませます❷。強力粉を加えて❸、粉っぽさがなくなるまで混ぜます❹。

オートリーズをとります。

オートリーズは粉の水和を促し、グルテンを効率良く繋げたり、酵素を働かせる効果があります。今回は中種が70%も入るので、この工程は省いていただいても構いませんが、捏ねの負担はやはり軽減されますので、時間がある方は入れてみてください。

オートリーズをとると、休ませている間に生地が繋がり、綺麗に伸びるようになります。

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生地をこね台に出して塩を加え❶、生地の表面がなめらかになるまで捏ねます❷❸❹。

生地をこね台にすりつけながら、生地が縦に伸びるうちは縦に伸ばすように心がけて捏ねます。摩擦と引き伸ばしの効果でグルテンがバランスよく鍛えられます。やがて生地が伸びなくなってきたら、折りたたんで押しこむことをくり返しながら捏ねます。ここまで生地が鍛えられたら、生地を無理に伸ばさないように気をつけます。形成されたグルテンは伸ばしすぎてちぎると、繋がりが切れてしまうからです。伸ばしすぎず、生地の表層を切らないように気をつけます。

生地はだんだんとつるんとしてきて、なめらかになります。こね具合が気になる場合は、グルテンチェックをします。生地を5分ほど休ませてから、端を切り落として、薄く伸ばしてみます。薄く伸びた生地の薄さと、なめらかさ、切れるときの切れ方などを確認します。今回のパンは小さく分割して焼く白パンなので、膜は多少まだらに見えてもよしとします。手の指が透けるくらい薄く伸び、切れるときにつーっと切れるようなハリがあれば大丈夫だと思います。
機械捏ねの場合はこのひとつ手前で捏ねを切りあげます。ここで捏ねすぎると、次の工程で油脂が生地に入っていきにくくなり、結果、捏ねすぎになってしまうからです。手ごねでは、油脂を入れてから生地を仕上げようとすると、かなりの体力を要します。油脂入れ前に生地を仕上げておくと、この後が楽です。

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バターを加えて捏ねます❶。生地に断面を作り❷、油脂を揉みこんでいきます❸。揉んで、伸ばす、これをくり返しているうちに、自然とグルテンの隙間に油脂が入っていきます。やがて生地が温かくなって、手のひらにしっとりと吸いつくようななめらかさになります❹。

油脂は指で押して形が変わるくらいの冷たさにします。かちこちでは混ぜにくいですが、やわらかくしすぎないことも大切です。手のひらの温度でとけてしまうようでは、固形油脂の意味をなさなくなってしまいます。

油脂入れ前に生地をこねあげているので、ここでは油脂が馴染めば、なめらかな生地になっているはずです。再び、グルテンチェックをしてみるのもいいと思います。

こねあげ温度
25-28℃

 4

生地が3倍になるまで発酵させます。

温度
28-30℃

発酵後の生地です。

 5

生地をこね台に出して、全体を優しく押してガスを抜きます。ひとつ30gに分割し❶、予備成形(丸め成形)をしてベンチタイムをとります❷❸。

 6

クリームを包みます。

 7

生地が1.5-2倍になるまで発酵させます。

 8

仕上げに強力粉をふり、焼成します。

 9

完成!

■ポイント

 濃いちご酵母のこと

濃いちご酵母についての詳細は「濃いちご酵母の作り方」をご覧ください。

今回、使用した濃いちご酵母ですが、私はこのパンのように酵母液をストレートで使用することは実はあまり多くないです。酵母液のまま使用する場合は、普段はベイカーズ%で15-30%くらい添加して、必要に応じて市販のインスタントドライイーストを併用しています。今回のレシピは例外中の例外です。いちごの風味をめいいっぱい残すために50%近くのいちご酵母を(ちょっと強引に)添加し、中種を仕込む段階で酵母を増やすワンステップを踏んでいます。これだけのいちご酵母を使用するので、いちごの香りがほんのりと生地に残り、さらにいちごの色も薄くですが残るパンになっています。酵母の勢いに不安がある場合は、微量のインスタントドライイーストで発酵を補ってあげてください。

今回のパンは中種法を取り入れていますが、中種の仕込みから本ごね、焼成まではストレートで仕上げることをおすすめします。どこかで冷蔵庫を利用する低温発酵を取り入れることも可能ですが、理屈では寝かせた分だけ生地のphが下がると予測されるので、あまりおすすめしません。果物のピュレ酵母の場合は、食物繊維と酸度、あるいは酵素の関係だと思うのですが、グルテンが脆くなりやすく、生地の扱いが少し難しいと感じています。発酵の香味を取り入れるよりも、いちごの風味を大事にしたいパンでもあるので、ぱっぱと早い時間で焼き上げたいです。

 白パンとは

パン生地に焦げ色を付けずに低温で焼成するのが特徴です。表面に薄く強力粉をふって、生地をオーブンの熱から守りながら、また、低温約150℃で、生地をメイラード反応とカラメル化反応から守りながら焼成します。水分の抜けが甘いので、やわらかくしっとりもちっと焼き上がり、冷めると少ししわになりやすいです。

どんなパンもそうですが、焼きたては粉の風味が安定しないので、熱々のまま食べることはしません。粗熱が取れてから密閉容器やパン袋に入れて保存し、しっとりした状態で食べます。

 みるくクリーム

牛乳の美味しさを味わうシンプルなミルククリームをご紹介しました。しっかり甘いクリームなので、お好みで甘さを調整してください。お好みでバニラフレーバーを添加しても美味しです。

クリームを固めるのに使用したのは薄力粉です。必ず薄力粉にしっかりと熱を通してください。パンに包むことができるギリギリのかたさのクリームになっています。薄力粉の配合割合が増えると、クリームがかたくなったり、粉っぽさが残ったりする場合があるので、加減する場合も薄力粉の増やしすぎには注意してください。コーンスターチで作るとクリームにより透明感がでます。食感も少し変わり、軽く弾力を感じる仕上がりになります。お好みで使い分けてください。

 包餡

今回のクリームは、割ったときに「とろ〜り」とさせたかったので、緩めです。それでも冷やしているので、包むことはできると思います。あんぱんのように包むのは難しいと思うので、風呂敷を包むように包んでみてください。

空気を包まないようにすることと、綴じ目はしっかり!←これは大切なポイントです。それと最終発酵で乾燥させないことを心がけてます。

■酵母と製パン法

中種法