信州味噌とはちみつのフガスの作り方





信州味噌とはちみつのフガスの作り方。

フガスとは?
フーガスとも。ハードパン生地を薄く伸ばして葉っぱのような形に成形するフランスのパン。プロヴァンス地方発祥の伝統的なパンです。

信州味噌とはちみつのフガス/4枚分

【生地】
・準強力粉 198g(90%)
・グラハム粉 22g(10%)
・酒種 26g(12%)
・はちみつ 22g(10%)
・信州味噌 11g(5%)
・水 118g(54%)
・白炒り胡麻 9g(4%)

【フィリング】
・はちみつ 30g
・信州味噌 15g
・柑橘の皮 適宜

・オリーブオイル 適宜


【焼成】
予熱 250℃
焼成 230℃で12-15分

ポイント
焼成温度はお持ちのオーブンに合わせて調整してください。今回は生地を4分割して、2枚づつ焼成しています。先に焼成する生地と後に焼成する生地とで時間差が出てきます。後半の生地は分割後、丸めた生地玉の状態で冷蔵庫で管理するなどして、時間調整をしてください。あるいは同時に成形し、最終発酵の長さによる食感の変化を楽しんでいただくのもいいと思います。木琴堂チャンネルでは長野県【安曇野養蜂苑】のアカシアはちみつを使用しています。

準強力粉→10P09
酵母→酒種
オイル→オリーブオイル

■信州味噌とはちみつのフガスの作り方

 フロー

はちみつ味噌を作る

本生地を作る

折りたたみ/パンチ
2回
ごまの折りこみ
1回
こねあげ温度
23℃以下
発酵
室温25℃/膨倍率2.5倍

冷蔵発酵をとる場合は、復温後の生地が2.5倍程度になるように調整してください。

分割
4分割

最終発酵
25-28℃/お好みで

焼成
予熱 250℃
焼成 230℃で12-15分

フローは目安です。生地の状態を見極めながら、各工程を調整してください。焼成温度はお持ちのオーブンに合わせて調整してください。

 下準備

はちみつ味噌を作ります

はちみつと味噌を合わせて、折りこみペーストを作ります。

 1

ボウルに準強力粉、グラハム粉を入れ、軽く混ぜ合わせます。

酒種、はちみつ、信州味噌、水を加えてよく混ぜます。

ひとかたまりになったら、3分ほど念入りに捏ねます。

生地を30分休ませます。

 2

生地を引き伸ばして、折りたたみます。縦❶❷、横❸❹、順番に、それぞれ生地が伸びなくなるまでくり返し引き伸ばしてたたみます。

ハード生地のパンチの工程です。生地を引き伸ばして折りたたむことでグルテンを強化します。また生地温度を下げたり新しい酸素を供給して更なる発酵を促す効果もあります。今回はこの引き伸ばしと折りたたみで生地を繋げていきます。
パンチの入れ方にはいろいろあります。こんなふうちょっとカジュアルにやってみるのも面白いですよ。

生地を20分休ませます。

 3

生地を引き伸ばして、折りたたみます。縦、横、順番に、それぞれ生地が伸びなくなるまでくり返し引き伸ばしてたたみます。

2回目のパンチのときは、生地がすぐにしまってきます。グルテンが鍛えられてきているので、生地がしまるのが早くなります。生地を切らないように気をつけます。生地は無理をして引っ張り、ちぎってしまうと、グルテンが傷んでしまいます。特に表層から切れやすいので、ゆっくり丁寧に引き伸ばします。

生地を20分休ませます。

必要であれば、20分後、ここでグルテンチェックをしてみます。

生地を少し切り取って、綺麗な面を上にして生地を縦横に伸ばします。布のように薄く広げてみたときに、薄膜の風船のようになって、生地ごしに指をあてると指紋が透けて見えるくらいになれば充分です。生地はマットな質感で、切れるときはつーっとなめらかに裂けます。

生地がまだなめらかでない場合は、もう一度パンチの工程を入れます。3の手順でパンチを入れて、10分ほど置いてから4の工程に進みます。

 4

ごまを加えて折り込みます。

生地が2-2.5倍に膨らむまで発酵させます。

発酵後です。

冷蔵発酵させる場合は、生地が1.8-2倍に膨らんだ時点で冷蔵庫に入れて休ませます。復温後の生地が2-2.5倍になるように調整してください。

 5

生地を4分割して予備成形(丸め成形)します。

2枚ずつ、2回にわけて焼成します。はじめに焼成する二つの生地玉を軽く丸めて予備成形します。後に焼成する二つの生地玉はしっかりと気泡を抜いて少し強めに丸めます。乾燥を防ぎながら冷蔵庫などの低温で管理し、焼成に時間差をつけてください。

ベンチタイムをとります。

 6

生地を伸ばしてはちみつ味噌を塗り、お好みの柑橘の皮を削って散らします。生地を半分に折りたたんで、お好みの大きさに伸ばします。カードで切り込みを入れて、葉っぱの形に成形します。

 7

生地を発酵させます。

発酵具合はお好みで10-60分くらいで調整してください。短めだとガリっと、長めだと少しふわっとした食感になります。

 8

仕上げにオリーブオイルを塗ります。

ごま油でも大丈夫なんですが、柑橘の香りがごまに押されてしまうので、今回はオリーブオイルをおすすめしています。

 9

焼成します。

予熱 250℃
焼成 230℃で12-15分

 10

完成!

■ポイント

 フガスとは?

フガスとは?

フーガスと呼ぶこともあります。フランスプロヴァンス地方の伝統的なセミハードパンで、生地を薄く伸ばし、切り込みを入れて焼き上げます。日本では葉っぱの形に成形して焼き上げたものを見かけることが多いかもしれません。本場では平たく伸ばして焼き上げたシンプルな成形のものも多いようです。

食感はもちっとしたものからカリッとしたものまでさまざまあるようです。シンプルな配合のパンだからこそ、生地のアレンジも多岐にわたるのでしょう。具材のアレンジとしては、オリーブやチーズ、セミドライトマト、コーンを挟んでも美味しいです。甘いフガスもあるようですよ。食べてみたいものですね!

 食感

パンは発酵を長くとり、ある程度の厚みを作ってほどよく焼けばふわふわになりますし、逆に発酵を短くして、薄く伸ばして、しっかり焼けばカリカリになります。フガスの食感はお好みで変えて楽しむことができます。今回は4分割して薄く伸ばしてカリカリに焼いています。冷めたて(粗熱が取れて小麦の香りが落ち着いてから)を食べると香ばしさに感動します。逆に2分割くらいにして少し厚みを持たせて成形し、最終発酵をしっかりとって焼くと、もちっとした食感になりますよ。お好みでアレンジしてみてください。

 発酵食品のマリアージュ

パン、酒種、味噌……いずれも発酵食品です。発酵食品は発酵生成物の香りを閉じこめた深みのある味わいが特徴で、それだけでも充分美味しいんですが、発酵食品同士の組み合わせもまたとってもよく合って美味しいです。チーズも合いますよ。具材として、あるいは仕上げに削って散らしたりなどして、ぜひチーズを合わせみてください。

■酵母と製法

ストレート法

オーバーナイト法/(冷蔵)低温長時間発酵