酒種で基本のプチパンを焼きましょう!
酒種を起こしたら、まず作りたいのがクラストを焼き切るタイプのシンプルなパンです。酒種の持ち味であるクラストの香味を存分に味わえます。
昨年、はちみつレモン酵母でプレーンなまるパンをご紹介したので、今年は酒種に合う黒胡麻を合わせたセミハードのパンをご紹介します。
酒種パンのおいしさはなんといってもクラストの香味です。お醤油を甘くして焦がしたような……みりんを焦がしたような……なんとも言えない香味がのります。
クラストを焼き切るタイプのレシピだとそのおいしさが強調されて絶品です。酒種が初めての方はぜひクラストを焼き切るタイプのパンを焼いてお楽しみください。
#胡麻のプチパン
#酒種パン
#酒種

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酒種で焼く胡麻のプチパン
材料を合わせて混ぜるだけの基本のプチハードのレシピをご紹介します。
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胡麻のプチパンを作る / 1日目
✦ 生地を作る
材料を合わせる
酒種、水Aをボウルに入れ、そこに粉類を加えて切り混ぜする。

カードで生地を切って、生地の断面に粉を纏わせて、また切って……というふうに切り混ぜします。

キタノカオリ推奨ですが、お好きな粉で作っていただけます。
わたしが試した粉は、春の香りの青い空、マニトバ・オーロ、はるゆたかブレンドプレミアム7。高灰分の粉の方は、ブレ・ドゥ・ポピュラシオン、タイプ100を試しました。
メインの粉をマニトバ・オーロ、はるゆたかブレンドプレミアム7に置き換える場合は、ボリュームが5%くらい減ると思います。給水Aは62%推奨。
逆に高灰分の粉をブレ・ドゥ・ポピュラシオン、タイプ100に置き換える場合は、よく水を吸うので、水量を増やしても良いと感じました。ブレ・ドゥ・ポピュラシオン、トレンドですよね。とてもおいしい粉なのでぜひ味わってみてください。
推奨は23-25℃です。高くとも28℃未満でコントロールしてください。
生地が混ざったら、20分のオートリーズをとります。

オートリーズ=自己融解、粉と水を合わせて10-30分(数時間以上かけて行うロングオートリーズという概念もある)生地を休ませておく製パン法。
今回は20分、生地を休ませます。
今回は15分以上のオートリーズなので、理論的には塩などは後入れを推奨します。
酒種は仕込み水の一部を担うので、先に入れてしまいました。
追加の材料を合わせる
生地に窪みを作って、そこに水と塩を加えてよく溶かす。

塩水を生地に揉み込み、引き伸ばして軽く押し捏ねをしながら馴染ませる。

引き伸ばしと押し捏ねで馴染ませる(30回くらいで馴染みます)。

油脂を加える
液体油脂(今回はハイオレックの紅花油)を加える。

揉み込んで、引き伸ばしと折りたたみでミキシングする。

黒胡麻を加える
生地をボウルの中で軽く広げて、黒胡麻を加える。

引き伸ばしと折りたたみでミキシングする。

生地を軽く丸めて、30分のフロアタイムをとる。

室温は23-25℃で、乾燥させないように工夫しながらフロアタイムをとります。
・30分のフロアタイム ←いまはここ!
・パンチ(ラミネーション)
・30分のフロアタイム
・パンチ(コイルアンドフォールド)
この流れで生地を作っていきます。
夏場は23℃付近で室温をコントロールするのは難しいです。ほどほどに冷蔵庫や保冷剤を使用するなどの工夫をしてください。
簡単にできそうな工夫をふたつ、あげておきますね。
・フロアタイムの半分(30分のうちの15分だけ)を冷蔵庫でとる
・保冷剤と共に小さめの空間に入れて適度に冷やす
参考までにイラストを貼っておきますね。

パンチ(ラミネーション)を入れる
生地の中心から一方向へ、生地を薄く伸ばして、中心に向かって折りたたむ。ボウルを回しながら、いろんな方向へ、生地の伸びが悪くなるまでくりかえし引き伸ばして折りたたむ。

生地を引き伸ばして、折りたたむ。

生地の底、中心まで指を入れるのがポイント。

生地が伸びにくくなるまで、引き伸ばして、折りたたむ。

生地を軽く丸めて、30分のフロアタイムをとる。
ミキシングの基本を振り返ります。
・材料の混合・分散・均一化
・グルテン構造の構築
・酸素の混合(グルテンの酸化)
ラミネーションの工程はこの2と3を担います。
生地が引き伸ばされることでグルテンに程よい負荷がかかり、またグルテンが酸化することでs-s結合が促進されて生地が強化されます。
パンチ(コイルアンドフォールド)を入れる
生地を両手で持ちあげ、左右に引き伸ばす。生地の両端を下に折りこみ、三つ折りにする。生地を90度回して持ち替え、再び左右に引き伸ばす。生地の両端を下に折りこみ、三つ折りにする。

生地を引き伸ばして、底に折りこんで三つ折りにする。


生地を90度回して、再び引き伸ばし、底に折りこんで三つ折りにする。


発酵をとる
フロアタイムをとる
生地を発酵容器に移して、室温で発酵させる(今回は26℃で20分とりました)。

発酵容器にはくっつかないスプレーをふっておきました(お好みでどうぞ)。

発酵容器に生地を移し……

室温で発酵させる。
今回は26℃で20分でこのくらい上がってきました。

生地作りはこのあと、次のように進みます
・フロアタイム ←いまはここ!
・冷蔵発酵
・復温
・分割と丸め直し……つづく
フロアタイムは必須ではありません。発酵具合は復温でもコントロールできるので、とりすぎないでね。
捏ねあげ温度は23(-25)℃前後を目指します。
……とはいえ23℃に合わせるのは、夏場はかなり難しいです。オーバーしてしまうときは、フロアタイムの温度を低めにしたり発酵時間を短縮したりしてリカバリーします。
冷蔵発酵をとる
生地を冷蔵庫に移して休ませる(今回は16時間ほどとりました)。

冷蔵発酵は、アトリエミツトパンでは通常「最低8時間、最高24時間」をご提案しています。中でもおすすめなのは「18-24時間」。今回は16時間とりました。
この生地の発酵膨倍率は2-2.5倍まで、それに満たない場合は復温(室温25℃)で発酵を加減します。
フロアタイム(予備発酵)で発酵速度に勢いがつきすぎると冷蔵発酵でも発酵が止まりにくいということもありますので、加速させすぎないほどよいフロアタイムの加減を見極めてください。
冷蔵発酵をとらない場合は、酵母の活性にもよりますが、23-25℃あたりで、よく生地の状態を見て、発酵膨倍率が2-2.5倍になるまで発酵をとってください。
((POINT!!))
今回は冷蔵発酵で膨らみ過ぎてしまったため、復温工程は省きました。
冷蔵発酵前と冷蔵発酵後の様子がこちら。


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胡麻のプチパンを作る / 2日目
✦ 復温、分割、ベンチタイム
復温をとる
生地を冷蔵庫から出して室温で発酵させる。
* 今回は復温工程は省きました。


環境温度25℃くらいを想定しています。
発酵膨倍率が2-2.5倍に、生地温度が15℃前後に戻るまで室温で発酵をとります。発酵膨倍率優先で。
((POINT!!))
今回は冷蔵発酵で膨らみ過ぎてしまったため、復温工程は省きました。
分割する
4分割する。




プレシェイプしてベンチタイムをとる
生地を手前から奥へ向かって三つ折りにし、表層を張らせる。弾性が抜けるまで生地を休ませる(15-20分ほど)。

生地の厚さ形と形を整えて、手前から奥に向かって三つ折りにします。上下左右から生地の底にカードを差し込んで、表面を張らせます。
❶生地の裏面を上にして置き、形と厚さを整える。❷❸❹手前から奥に向かって三つ折りする。

❺生地の底に上下左右からカードを差し込んで、表面を張らせる❻❼❽。


ベンチタイムは生地の弾性が抜けるまで、15-20分くらい。生地の緩みが足りないようならもう少しゆっくりとってあげて。
夏場は冷蔵庫でとってもOKです◎。
生地温度は15℃くらいあると扱いやすいですよ。
✦ 成形する
生地を締めながら丸める。

❶生地を綴じ目を上にして捏ね台に出す。❷生地の表に粉を纏わせて、❸裏がえす。

❹軽くガスを抜いて❺❻再び生地を裏返し……

❼❽手前から中心奥に向かって、いち、❾に、❿⓫さん、と折りたたむ。



⓬⓭さらにさんの対角を折りたたみ……

⓮⓯⓰手前から奥に向かって生地を巻き取る。

⓱⓲生地を手前に引いて表面を張らせて……

⓳綴じ目をとめる。

⓴完成!

✦ 最終発酵をとる
パンマットの上にのせて最終発酵をとる。

発酵前後の様子がこちら。
発酵前後で生地の広がり方(弾性が抜け切って緩んだ状態)が違うのがわかりますか??

25-28℃で発酵をとります。生地の弾性が抜けてほやっと緩むまでです。30-40分くらいかな? 見た目ではあまりわかりません。
生地のサイドを指で押してみて、緩やかに時間をかけて生地が戻ってくるくらいの緩み具合で窯入れできるよう準備します。
その間にオーブンの予熱を終わらせておくのを忘れずに。

✦ 仕上げをする
生地をオーブンシートに移してクープを入れる。

生地に粉をふって、パンマットごとひっくり返して生地を転がし、もう一度、元に戻すように転がしてカードの上に生地をのせているところです↓。


クープを入れる。

多加水生地なのでクープはすっと入りにくいと思います。粉をふったり、パンマットからオーブンシートに移す際に、一度、生地を裏返してあげると、生地の表面が満遍なく粉を纏って少し乾くので、クープが引きやすくなりますよ。

✦ 焼成する
天板ごと予熱したオーブンに生地をスライドインして焼成する。

✦ 完成!
オーブンから出して網の上で冷ます。
ぺったんこの生地が、こんなふうにぱつぱつに膨らみます↓。

焼きたてはぱりぱり、クラムはふっくら、定番のパンとして活用できる食べやすいパンです。副材料も最小限なので体に優しい、という酒種パンのテーマにも沿うと思います。
あんバターはもちろん、サボリー系のサンドイッチにしてもとても食べやすいです。

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ノート
✤ オートリーズ
粉と水を軽く混ぜ合わせておいて、10-30分ほど休ませてからミキシングを開始する製パン法です。自己融解の意。
休ませている間に粉の水和が進み、グルテンがスポット的に形成され、酵素が働いてでんぷんが分解され糖が作られるので、酵母添加後の酵母のスタートダッシュにつながります。
10-15分以内のオートリーズであれば塩の影響などは受けにくいといわれており、15分以上、休ませる場合は塩などは後入れが好ましいですが、10-15分のオートリーズの場合は塩や微量酵母は一緒に入れておいてもさほど問題はないと思われます。
今回は桜ペーストを後入れするので、そのときにすべて同時に入れられるように設計しています。

✤ ハードパン焼成のコツ
ハードパンは高温で焼く、下火を入れる、序盤に蒸気を入れる、終盤にクラストを焼き切るというイメージで焼成します。具体的には高温230℃以上で、天板からの熱伝達で生地を底から温め、蒸気を入れてクラストの伸びを補助し、生地の表層を焼き切ることでクラストの食感をクリスピーに仕上げるとともにメイラード反応とカラメル化反応の香りを添加するというイメージでしょうか。
ご家庭でのハードパン生地の焼成は難しい……ご自身でより良い工夫を探っていただく必要があります。
こちらではアトリエミツトパンで行っているいつもの工夫をご紹介します。
↓オーブン庫内の設定はこんな感じ。オーダーメイドの鉄製の天板2枚を重ねて使用し、庫内の底に薄い網を置いて、その上に南部鉄器の小さな鉄板をのせています。鉄板の中に敷き詰めているのはタルトストーン二袋分です。

生地の最終発酵があがるタイミングを見越して最高温度で予熱。予熱が完了してから10-15分は空焚きし、庫内全体の温度が230-250℃に達したところで、パン生地を天板の上に滑りこませます。

↑こちら、取り板で生地をオーブンシートごと天板に滑りこませているところです。
ドアの開け閉めは手早く、短時間で。生地を天板の上に滑らせてのせたら↑上の写真のタルトストーンに水を35-50g注いですぐにドアを閉めます。庫内に満遍なく水蒸気が行き渡ったら焼成スタートです。
Q&A
Q.
晴がお答えします
Q.
晴がお答えします













