マーブルベーグル・セサミ

https://youtu.be/U7nUDXCjBhM

マーブルベーグル・セサミの作り方。
大理石のような鮮やかな模様のベーグルをご紹介します。黒胡麻風味です。

マーブルベーグル・セサミ
4個分

強力粉 330g(100%)
酒種 40g(12%)
・牛乳 132g(40%)
・水 33g(10%)
・はちみつ 40g(12%)
6.6g(2%)
・黒ねり胡麻 30g(9%)

焼成
予熱 230℃
焼成 210℃で17-20分
ポイント
焼成温度はお持ちのオーブンに合わせて調整してください。
木琴堂チャンネルでは長野県【安曇野養蜂苑】のアカシアはちみつを使用しています。
強力粉→1CW
酵母→酒種
▶︎酒種の作り方

■マーブルベーグル・セサミの作り方

 フロー

■本生地を作る

オートリーズ
30分

■生地から230gを取り分け、黒胡麻生地を作る

■プレーン生地、黒胡麻生地を合わせる

こねあげ温度
25-27℃

一次発酵
25-28℃ / 膨倍率2.5倍

冷蔵発酵をとる場合は、復温後の生地が2.5倍程度になるように調整してください。

分割
140-150g / 4分割

最終発酵
25-28℃ / 膨倍率は気にせずお好みで

焼成
予熱230℃
焼成210℃ / 17-20分

フローは目安です。生地の状態を見極めながら、各工程を調整してください。焼成温度はお持ちのオーブンに合わせて調整してください。

 1

ボウルに酒種、水、牛乳、はちみつを入れ、よく混ぜます。強力粉を加えて均一になるまで混ぜます。オートリーズをとります。

オートリーズは粉の水和を促し、グルテンを効率良く繋げたり、酵素を働かせる効果があります。今回は副材料もある程度は入るので、純粋なオートリーズとは言いにくいのですが、捏ねの負担はやはり軽減されますので、時間がある方は入れてみてください。

オートリーズをとると、休ませている間に生地が繋がり、綺麗に伸びるようになります。

 2

生地をこね台に出して塩を加え、生地の表面がなめらかになるまで捏ねます。

加水率の低い生地です。かなり力が必要ですが、生地が伸びるうちは伸ばしてこねて、グルテンの伸びを強化します。同時に力を加えて、生地を折りたたんで押しこむことをくり返しながら捏ねます。ここまで生地が鍛えられたら、生地を無理に伸ばさないように気をつけます。形成されたグルテンは伸ばしすぎてちぎると、繋がりが切れてしまうからです。伸ばしすぎず、生地の表層を切らないように気をつけます。

生地はだんだんとつるんとしてきて、なめらかになります。加水率の低い生地なので、いつものようにとろりとした感触になることはありませんが、表面がある程度なめらかになるまではこねてください。

機械捏ねの場合も同様です。このような生地の場合は、手ごねよりはるかに効率的にこねられると思います。しっかりこねて生地をなめらかにしておきます。

 3

生地を230gと残りに分け、230gの生地にねり胡麻を加えます。油脂を加えてこねるときのように生地の断面にもみこんでいきます。

こねあげ温度
25-27℃

 4

生地が2.5倍になるまで発酵させます。

一次発酵
25-28℃ / 4-7時間

今回は、途中、冷蔵庫に入れて低温長時間発酵をとりました。生地が1.8倍になった時点で冷蔵庫に入れ、12-18時間、冷蔵庫で寝かせました。発酵膨倍率2倍くらいで冷蔵庫から出し、2.5倍になるまで復温させました。

 5

生地をこね台に出して、全体を優しく押してガスを抜きます。ひとつ140-150gに分割し、予備成形(ドッグ型成形)をしてベンチタイムをとります。

密な内相のベーグルがお好みの場合は、ここで方向転換をすることができます。生地の気泡を完全に抜き、何度か麺棒をかけて生地そのものを強化することで、気泡が細かく均一に整ったヒキの強いベーグルを作ることができます。

手順としては、生地を麺棒で伸ばし三つ折りします。生地の向きを90℃変えて麺棒で伸ばし、三つ折りします。デニッシュ生地の折り込みのようなイメージですね。これを5回ほど行ってください。気泡は少なく、満遍なく均一に散って、麺棒の負荷によって生地はより強くなります。この場合は最終発酵は20分以内にとどめて、ケトリングから焼成に入ります。お試しくださいね。

 6

成形します。

棒状成形で綴じ目がきちんと綴じられていれば、綴じ目の位置はあまり気にしなくても大丈夫だと思います。ケトリングで多少、めくれますが、ねじり成形の場合はそれが味のあるアクセントになります。ねじらない成形の場合は、綴じ目は下、これはいつも通りです。

 7

お好みで20-60分、発酵させます。

温度
25-28℃

最終発酵が若ければ、生地の中に気泡が蓄えられる時間がありません。この場合は内相は密なものになります。ある程度、ふわっとさせたい場合はしっかり発酵をとり、生地の内部に気泡を蓄える必要があります。

 8

ケトリングします。

熱い湯の中で生地の表層を糊化させます。一般的にはモルトシロップやはちみつを溶かして茹でることが多いかと思いますが、特別な決まりはありません。重曹や苛性ソーダを溶かせばラウゲン液になります。

レシピによって湯の温度や茹で時間はさまざまです。6-7分茹でるなんていうレシピも存在します。体感としては、糊化させた部分がそのままクラストの厚さになる印象があるので、薄皮にしたい場合は30秒ほどで切り上げてもいいと思います。

ケトリングは必ずオーブンの予熱が済んでから行います。茹でたあと、すぐに窯入れしたいからです。時間をおきすぎると表層にシワがよることがあるので、注意です。ラウゲン液の場合は少し乾かしてから窯入れします。何度か作ってみて、感覚をつかんでいただくといいと思います。

 9

焼成します。

予熱 230℃
焼成 210℃ / 17-20分

 10

完成!

■ポイント

 ベーグルとは

ベーグルとは?

もとはユダヤ人が日曜日の朝食として食べていたパンだそうです。1900年前後にアメリカに持ち込まれました。ドーナツのように成形した生地を一度、茹でてから焼成するのが特徴です。茹でてパンの表層を糊化させることでパンの膨らみが抑えられ、独特のみっちりと目の詰まった食感が得られます。

ベーグルは歴史の深いパンです。ヨーロッパで生まれ、その後、ユダヤ人がアメリカに移住する際に、共にベーグル文化が持ち込まれました。今ではニューヨークを中心に愛され親しまれて、朝食やブランチの定番になっています。

日本でも食卓の定番になりつつあります。専門店もたくさんあって、成形もいろいろ。生地をまっすぐにしたままつなぐ方法やねじる方法、結んでつなぐ方法もありますし、丸い生地に穴をあけてドーナツ型にする方法もあります。エピのようにカットしたり、棒状成形をソシソンクープで飾る場合もあります。どれも少しずつ食感が変わるので、お好みの成形方法を探ってみるのも楽しそうです。

独特のもっちもちの食感とサンドイッチにぴったりのシンプルな生地の美味しさが、長く愛されるポイントでしょうか。低脂肪、低カロリー、と言われていますが、バターを配合したり、今回のようにしっかり甘味をつけたり、いろいろなアレンジが広まっているので、そこまで低カロリーではないような気もしています。糖質オフとは真逆に位置するような生地ですし。プレーンベーグルにいちごとあんことクリームを挟んで食べるのは最高です。これはもうヘルシーなパンではないですよね。

 ケトリングとは

ケトリングとは?

焼成の前に、ベーグル生地を茹でることです。ベーグルの独特の食感は、ケトリングをすることで生まれます。焼成の前に生地の表面を高温で固めて糊化させてしまうので、その後、生地が膨らみたくても膨らむことができずに、あの身の詰まったむぎゅむぎゅした食感が生まれるのですね。

ケトリングするお湯に糖分を加えるのが一般的です。綺麗な焼き色がつきますし、香りもupします。本場はモルトシロップを使いますが、木琴堂でははちみつを使用しています。砂糖でももちろん大丈夫です。それぞれ色づき方や香りは微妙に違いますが、それほどの違いでもないと思います。好奇心のある方は作り比べて楽しむのも一興かもしれません。今回ははちみつが12%入る生地です。ベーグルにしてはかなり甘め。なのでケトリングは真水で行っています。

ケトリングの温度や時間については、これまでも様々な提案がされてきています。押さえておきたいポイントは、表面をしっかり糊化させてあげるということと、糊化させた厚さがそのままクラストの厚さになるということです。

小麦粉のデンプンの糊化する温度は65℃-95℃くらいでしょうか。生地の加水率でも変わってくるみたいです。だからケトリングのお湯の温度は低くとも80℃以上を推奨されているのですね。

茹でる時間については、表、裏それぞれ30秒で充分だと思います。あまり長いとクラストが厚めになるので、かなり歯応えのあるベーグルになります。お好みで加減なさってください。ケトリングは必ずオーブンの余熱が完了してからにしましょう。ケトリングしたらすぐにオーブンに入れて焼成に入ります。表面がピンと張って綺麗に仕上がりますよ。

■酵母と製法

 酒種

▶︎酒種の作り方

酒種ですが、今回のように酵母液をストレートで使用する場合は、できるだけリフレッシュして1-3日のうちに使用することをおすすめしています。ただ、今回はベーグル。ふわふわパンのように、しっかりと縦に伸ばしたいような生地ではないので、少し古くなった酒種でもそのままストレートで使用することができます。

 ストレート法

ストレート法とは?

直捏ね法とも。材料(フィリングなどは除く)を一度にミキシングし、パン作りの工程を分割することなく、発酵成形二次発酵、焼成までを滞りなくひとつの流れで行う製パン法のこと。家庭製パンでもよく用いられている。素材の風味がよく活き、発酵時間も短く済み、材料の個性が出やすいという特徴がある反面、生地の老化が早くまたボリュームが出づらいという短所もある。

オールイン製法と区別する点は、油脂入れのタイミング。ストレート法はミキシングの工程は分割しないが、油脂はミキシングの最後に加えることが多い。

 後塩法

後塩法とは?

アトジオ法、コウエン法。ミキシングの際に、塩を後入れする製パン法。塩を加える前に小麦に水を充分に吸わせ、効率よく水和させることで、生地作り初期のグルテン骨格の構築をより効率的に進める製法。ミキシングの時間を短縮することができる。

 オーバーナイト法 / 低温長時間発酵法

オーバーナイト法 / 低温長時間発酵法とは?

低温長時間発酵、冷蔵長時間発酵とも。生地を低温で発酵熟成させる製パン法。パン生地を低温、もしくは冷蔵庫に入れることでイーストの活動がゆるやかになり、ゆっくりと発酵する。発酵熟成の期間はある程度の長さを確保しないと期待するほどの効果は見込めない。仕込みの時間によってはひと晩寝かせることもできるので、オーバーナイト発酵と呼ばれる。もちろんひと晩、以上寝かせる場合もある。

ABOUTこの記事をかいた人

アトリエミツトパンははちみつとパン(とトマト)をこよなく愛する晴が主宰するアトリエです。 はちみつの魅力や可能性、レシピの発信を行っています。 自家製のパンについても勉強してきたことをじゃんじゃんシェアしていきますね。 どうぞよろしくお願いします。