桃とプラムの酵母


季節のフレッシュフルーツの酵母「桃とプラムの酵母」の作り方。プラムを加えることで少し艶っぽい香りの酵母に仕上がります。

桃とプラムの酵母
作りやすい分量

・白桃 2個(皮と種のみ)
・プラム 3個
・水, 果物がかぶるくらいの量(100%)
・砂糖(15%)
ポイント
桃は皮と種を使用します。熟した桃でも美味しく作れますが、種が割れやすいです。少し若い桃を使用すると作りやすいですよ。割れた種は衛生面で不安が残るので使用しません。

■桃とプラムの酵母の作り方

 下準備

果物を洗い、皮を向いたり適当な大きさにカットします。桃は皮と種を使用します。プラムは実ごと使用します。

桃の香りを充分に残したかったので、若めの桃を使用して、皮を少し厚めに剥きました。プラムは四等分にしています。

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果物、水、砂糖を加えて28℃で保管します。

培養
28℃ / 24-30時間

可能であれば6時間ごと、少なくとも12時間ごとに蓋を開けて撹拌し、溜まった二酸化炭素を抜き、新しい酸素を取り込みます。ただ、酵母起こしの初期、気泡が軽くぶくぶくしてくるまでは、撹拌を控えた方が雑菌が増えにくいというレポートもあります。何度が挑戦してみて、繰り返し腐敗するようであれば、撹拌を控えてみてください。

一方で、酵母起こしの後期は頻繁に撹拌し、酸素過多の状態で育てた方が発酵活性の高い酵母が育つはずです。お試しください。

12時間後の様子↓

果物が浮かんできます。果物の周りに小さな気泡が見られますが、まだ大きな変化はみられません。

24時間後の様子↓

少し目の粗い気泡が勢いよく出ます。果物の色が抜けて、酵母液が鮮やかな桃色になります。果肉はくたっとしてきます。味も香りも桃ジュースのようです。酸味もアルコールも感じません。しっかり甘いです。香りをよくかいで、プラムの香りが強くなってきているようであれば、果物を取り除きます。私はもう少し様子を見ることにしました。

30時間後の様子↓

盛大に発泡するようになります。撹拌したときの気泡が少しだけ細かくなってきます。香りはプラムが強くなってくるので、ここまでがプラムを入れておく限界でしょうか。

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果物を取り出します。

プラムの果肉は甘くてとろとろなので、そのままヨーグルトと合わせて食べたり、少し砂糖を足してジャムのようにしたりして消費しています。
桃の皮と種は、合わせてしっかりと絞ります。

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再び28℃で保管します。

培養
28℃ / 18-24時間

酵母がとても元気になり、気泡がたっぷり出ていますので、ここから腐敗に傾くことはまずありません。酸素をたっぷり供給したいので、こまめに撹拌して酸素を供給してください。

12時間後(仕込みから42時間後)の様子↓

撹拌すると盛大に細かい泡が立ちます。甘味が薄くなって、酵母特有の香りがのってきます。まだアルコールはほとんど感じないですが、うっすらと酸味がのってきます。瓶の底に薄く(1-2mmくらい)オリが溜まってきます。

18時間後(仕込みから48時間後)の様子↓

溶けた果肉やタンパク質などの下に気泡が溜まって、何層かに分かれているのが見えます。瓶の底にはオリが溜まって、そこからも絶えず気泡が立ち上がっているのが確認できます。酸味がしっかりとのってきて、アルコールの香りが感じられます。

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冷蔵庫に入れて保管し、翌日以降に使用します。

 5

完成!

■ポイント

 フルーツ酵母とは

フルーツ酵母とは?

フルーツに付着している酵母や微生物を、空気中に浮遊している酵母や微生物とともに水の中で培養し、主にパン焼きに使用するもの。大きく分けて二種類、ドライフルーツで起こす酵母と季節のフレッシュフルーツで起こす酵母がある。

今回の桃とプラムの酵母はフレッシュフルーツの酵母です。

「フルーツを洗ってもいいの?」と尋ねられることも多いのですが、使用されるフルーツの衛生面に左右される問題かと思います。個人的には、フレッシュフルーツは必ず洗っています。しかも割としっかりと。「フルーツに付着した酵母や微生物を……」なんて言っていますが、酵母や微生物は空気中にもたっぷりいるようですし、何より、私の場合はフルーツを八百屋さんやスーパーで入手することが多いので、新鮮なものをダイレクトにキッチンへ……というわけにいかないからです。フルーツ、みなさん洗ってから召し上がりますよね?そういう方は、フルーツを洗ってから使用してはいかがでしょうか。ご自身の衛生観念に沿って行動されるといいと思います。

 フルーツ酵母の使い方

酵母液のまま使用する場合は、普段はベイカーズ%で15-30%くらい添加しています。発酵活性に不安が残る場合は、必要に応じて、発酵活性の高いその他の酵母や、市販のインスタントドライイーストを併用しています。中種の工程をはさんだり、元種にする場合は、より安定した発酵を期待できます。

完成後はできるだけ新鮮なうちに使い切ることをおすすめします。私は5日を目安にしていますが、それで酵母が完全に働かなくなってしまうわけではありません。いくつかのレポートで、完成から2ヶ月経った酵母でもパンが膨らんだという記録があります。先日、1ヶ月経った酵母のオリで元種を仕込んだところ、一応、3倍までは膨らみました。けれどどんなパンにも安定して使用できるように整えるにはコツが必要ですし、あまりおすすめはしません。新鮮なうちに、元気な酵母でパンを焼いてみていただきたいな、と思います。

■桃とプラムの酵母を使用したレシピ

元種の作り方

■詳しくはこちらで

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アトリエミツトパンははちみつとパン(とトマト)をこよなく愛する晴が主宰するアトリエです。 はちみつの魅力や可能性、レシピの発信を行っています。 自家製のパンについても勉強してきたことをじゃんじゃんシェアしていきますね。 どうぞよろしくお願いします。