クロワッサンcroissant+マフィンmuffinでクラフィンcruffinですね!
クロワッサンの生地で焼いたマフフィンのことです。粉糖をふりかけたりクリームをつめたりしてデコレーションされることが多いです。よく見かけるのはカスタードとラズベリーの組み合わせ。今回はディプロマットクリームをつめますよ。
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材料
8個分
8個つくる | 粉量240g
✦ デトランプ
✦ 折りこみバター
発酵バター | 120g |
✦ ディプロマットクリーム
卵黄 | 2個 |
グラニュー糖 | 40g |
米粉 | 20g |
牛乳 | 240g |
バター | 10g |
バニラポッド | 半分くらい |
生クリーム 乳脂肪分42% | 100g |
グラニュー糖 | 5-10g |
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材料の置き換えは自己責任でお願いします。
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E65は北海道産の準強力粉。タンパク値12.2%、灰分0.7%で、高灰分ならではの独特な強い味と香りがあり、クラストはさくっとした食感になります。
E65はタンパク値が準強力粉にしては高め、このタンパク質の70-90%がグルテン構成要因です。使用感としては、特に伸びにくいという印象は受けませんが(タンパク値の高低がそのままグルテン量の高低とピッタリ一致するということではないのかな)、今回はここに薄力粉、ルヴァン、モルトシロップ、バターなども合わせて、生地の伸展性をあげています。
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ポラリスはタンパク値5.8%、灰分0.35%の薄力粉です。抜けるような白さの粉で驚きの低タンパク値です。わたしはこちらがお気に入り、何にでも入れちゃいます。使い勝手が良くて大好きな薄力粉です。
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スムレラT70は北海道の石臼挽き準強力粉全粒粉。タンパク値9.1%、灰分0.79%。粒子が非常に細かいので全粒粉であってもキメの細かい生地になります。
今回の配合の肝となる粉です。クラストの適度な苦味と雑味になります。ぜひ置き換えなどせずに使用していただきたいです。
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リロンデル1895はセミドライタイプの市販酵母です。低温長時間発酵に特化した酵母。
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ルヴァンリキッドは最近はTA200で管理しています。
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バターは高千穂発酵バターを使用しています。大好きすぎて常にこれを使っています!
✦ ルヴァンリキッドの作り方はこちらをチェック
ベイカーズパーセント
✦ デトランプ
E65 | 70% |
ポラリス | 18% |
石臼挽き全粒粉 スムレラT70 | 8% |
グラニュー糖 | 7% |
塩 | 1.6% |
バター | 3% |
牛乳 | 50% |
水 | 5% |
モルトシロップ | 0.4% |
ルヴァンリキッドTA200 | 8% |
リロンデル1895 | 1.6% |
✦ 折りこみバター
発酵バター | 50% |
作り方
フローを確認する
クラフィンはクロワッサンの生地で作ります。生地作りはクロワッサンの作り方をご覧ください。
デトランプを仕込む
発酵をとる
バターシートを仕込む
バターを折りこむ
ラミネーションと分割をする
成形する
最終発酵をとる
焼成する
ディプロマットクリームを作る
クリームをつめて粉糖をふる
✦ 2日目
1
最後のラミネーションをする
生地を伸ばす
目安は17cm×34cm。厚さはだいたい5mm強くらい。マッサージは満遍なくかつやさしく行います。バターの層が薄くなってきているので、急激な圧力は厳禁です。
4辺を切り落として生地を整える
目安は15cm×32cmくらい。
分割する
生地に2mmのガイドをつけてカットする
1本は2cm×15cmくらいで16本取り分けてください。
生地を冷蔵庫で休ませる
クラフィンの成形はクロワッサンよりも複雑なのでここで少し長く休ませて生地を冷やしておきましょう。
冷蔵庫2-8℃ / 15-30分
2
成形して型に入れる
2本の生地を重ねて成形します。クラフィンの成形は言葉で説明しにくいので、動画をご覧ください。
今回使用している型は、ごくごく一般的なマフィン型です。直径は6cm、深さは3cmです。底の直径はもう少し小さくなっています。……生地量はかなり迷うところですよね。
一般的にクラフィンはもっと高さがあるマフィン型で焼きます。ポップオーバーの型なのかな? 深めの型に入れて型の高さに助けてもらいながら、生地を横に広げるのではなくこんもりとトップを膨らませるようなイメージで膨らませます。
わたしの知っているマフィン型にこれに見合うサイズがなかったので、今回は高さは諦めました。
手持ちのこの型で単純に生地量を増やすと、大型のキノコのようにトップが横に膨らみすぎてしまうのです。それだとトップの層の細やかさが失われてしまうので、食感も変わってきてしまいます。なので今回は生地量を控えめにして、トップの膨らみは3cmくらいにとどめています。
3
最終発酵をとる
温度も湿度もいつもより控えめに。バターが溶けてしまっては台無しなので低めの温度で管理します。乾燥しない程度の湿度で発酵を取れたらベストです。
・生地が1.3-1.5倍になる
・層がところどころ立ち上がって剥離して見える
・フォルムがふっくらと丸みを帯びてくる
待ちすぎると焼き上がりの層が乱れるので発酵はほどほどに。
4
焼成する
230℃ / 7分
その後、180℃ / 8-10分くらい
高温短時間で焼成する理由は……バターが溶けて流出する前にバターの水分を手早く蒸発させて層の立ち上げに利用したいからです。はじめは高温で焼いてあげてください。
✦ ディプロマットクリームを作る
5
卵黄、グラニュー糖を合わせて混ぜる
卵黄が空気を含んで白っぽくなったら米粉を加えてなめらかになるまで混ぜる
6
牛乳、バター、バニラの鞘半分(種はこそぎ落として、鞘と種を一緒に加える)を合わせて小鍋で加熱する
沸騰する手前まで温めたら(5)のボウルにゆっくりと3-4回に分けて加え、混ぜる
7
(6)の液をストレーナーで濾しながら鍋に戻し入れて、火にかける
生地がふつふつとして全体的にもったりと艶のある状態になったら火を止める
バットに移して密着ラップをし、上から保冷剤を当てて冷蔵庫などで急冷する
8
生クリームにグラニュー糖を加え、ホイップする
9
カスタードをよく撹拌してなめらかにし、そこにホイップした生クリームを3回に分けて加えて切り混ぜる
10
クラフィンにクリームをつめて粉糖をかけて、完成!
ノート
✤ オールイン製法
一般的には後入れが好まれる材料(塩や油脂など)もすべてはじめに投入してミキシングを行う製パン法のことです。メリットは手軽なこと、材料の入れ忘れがないことなど。小麦の水和やグルテンの形成が妨げられるというデメリットはありますが、逆に生地のつながりを甘くして歯切れの良さを狙うなどの効果もあります。
今回はそもそも生地のグルテンをしっかりと繋げたくない(生地の伸びが悪くなるし折りこみで否が応でも繋がっていくから十分なのです)ですし、ミキシングに時間をかけたくないのでオールインでいきましょう。
✤ バターは何を選ぶ?
バターには折りこみしやすいバターとそうでないバターがあります。おすすめは乳脂肪分82%以上で水分量が少ないもの。折りこみの15分前にシートの用意をしてください。その後、もう一度冷やしたら冷蔵庫から出してマッサージしてから使います。
✤ バターの可塑性
バターの特性を確認しましょう。
バターは液体油脂と固体油脂の両方の性質を持つ不思議な油脂です。温度によってその性質を行ったり来たりします。固体油脂が15-25%のとき、バターはちょうど粘土のように自由に形を変えることができる状態になります。これが可塑性です。
この状態で折りこみ作業をするのが大事。温度としては13-18℃くらいです。
✤ 環境温度は?
室温は18-23℃、湿度は最低でも35%以上を保ってください。この中で折りこみ作業をしていきます。生地が緩んだら都度冷蔵庫へ。ただし2回目の折りこみまでは生地を冷やしすぎないこと。
✤ 折り数のいろいろ
今回のクロワッサンは4×4です。他によく好まれる折り数は3×3×3でしょうか。
層が少ないほど生地の厚みが出ますから、パンの膨らみは控えめになり、食感はザクザクバリバリします。層が多いほど生地が薄くなるので、フォルムはふわっと立ち上がって軽くなり、食感はクラストがサクサクパリパリでクラムはふわりという感じになります。
4×4+1=17
3×3×3+1=28
層の計算はこれで合っていると思います……たぶん。
Q&A
Q.
晴がお答えします
Q.
晴がお答えします