英語では Yudane , water roux と書く。パンに使用する粉の一部を熱湯で捏ね、でんぷんを糊化させたもの。熱を加えるため、損傷でんぷんでなくてもたっぷり吸水する。
様々な吸水値の湯種生地がある。吸水70-200%のものから、鍋炊き湯種や湯ゲルのようなものも湯種のうちに含めるとすれば吸水500-600%くらいのものまであり幅広い印象。
詳しくは「 湯種製法 」参照のこと。
こちらは完全にわたしの個人的な見解ですが……湯種の吸水は狙いによって使い分けるべきですが、鍋炊き湯種や湯ゲルを別物と考えると、湯種の理想的な吸水は80%前後なんじゃないかなあと思っています。
粉100gを湯種にするなら、熱湯は80g。ミルクで仕込むなら100g弱くらいです。粉の完璧な糊化を目指すには水分量が圧倒的に少ないですが、それが狙いです。この状態で仕込む湯種の捏ねあげ温度がだいたい65℃くらい。この温度を目指します。こちらの湯種を20%くらい生地に加えるのが正統派の湯種食パンのレシピのイメージです。
この湯種だと、小麦粉が糊化される割合と糊化されない割合とのバランスがちょうどいいので、粗熱を取ってから冷蔵庫でひと晩くらい寝かせると、いい具合に甘くなります。
湯種は、完全に熱を入れて完璧な糊化を目指してはダメですし、熱が足りないと粘性が出なかったりします。そこが面白いところですよね。粉に対して200%の吸水の湯種をよく見かけますが、この場合は、寝かせる工程は省いて本生地を寝かせる方がいいですよね。