湯ゲル

湯種 の一種。パンに使用する粉の一部を 糊化 させたもの。粉に対して3-5倍の水を使用し、撹拌しながら鍋でゆっくり加熱する。加熱温度の目安は60-70℃手前とされることが多い。

狙いは、おそらく酵素を失活させない範囲で小麦でんぷんを糊化させること。

小麦でんぷんの糊化についてですが、吸水200%の場合で、60℃で84.2%, 60-65℃で90%, 75℃で100%という実験データが残っています。糖化の面では65℃以上に加熱されたものから、よりパンの焼き色が濃くなったというデータがあります。

こちらと酵素の失活温度を踏まえると、湯ゲルの本来の狙いを活かすなら、加熱温度は60-65℃(限りなく65℃に近い温度)が最適と思われる。

詳しくは「 湯種製法 」を参照のこと。

湯ゲルは湯種に比べると、生地に混ぜ込みやすいという利点がある。結果、ミキシング自体を控えるようなパンの場合に本領を発揮すると予測できる。

一方で、湯ゲルでも鍋炊き湯種でも本来の湯種でも、しっかりミキシングしてグルテン構造を構築させるようなパンの場合は、一般的な製法に比べてミキシング時間が伸びることが示されているので、生地構築の面では、製パン性は低下すると言える。

配合量を調整した上で、長くしっかりミキシングすれば綺麗な生地ができ、さらに変性グルテンはパンの骨格を支えてくれるので、それなりに窯伸びしたパンも期待できる(はずだと思っています、個人的には)。

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アトリエミツトパンははちみつとパン(とトマト)をこよなく愛する晴が主宰するアトリエです。 はちみつの魅力や可能性、レシピの発信を行っています。 自家製のパンについても勉強してきたことをじゃんじゃんシェアしていきますね。 どうぞよろしくお願いします。