レスペクチュスパニス製法

伝統的なパンに敬意を払おう、みたいな意味をつけた製パン法。フランスのアンバサドオル協会から提唱されている。「穀物のもつ自然の甘さを最大限に引き出す製法」と説明されている。

特徴として①短時間のミキシングでできるだけ生地をいじらない②18℃帯で発酵させる③18時間程度の時間発酵させる④塩は1.5%以下におさえる、などの縛りがある。

厳密な定義は確立されていないとの説もある。同協会より書籍「レスペクチュス・パニス 製法の新発見」が出版されている。

レスペクチュスパニス製法を考える

そもそもこの製法がこんなに注目を浴びるよりずっと前から、上記4点に配慮した製パンは日本でも行われていました。18℃帯が最も酵母が良い香味を出してくれることはすでに知られていましたし、尖ったパン屋さんでは「18℃帯18時間」は合言葉みたいになっていたように思います。

それが今になってなぜこんなにも大々的に注目を浴びる製法として出てきたのか。正直、多くの方が「いまさら?」って思ったと思います。それでも大々的に打ち立てて、大々的に提唱する。フランスの人たちの食文化を守る姿勢ってすごいですよね。日本もこのくらい強気な姿勢で寿司とか天ぷらとか守ったらいいと思います。

上記のような4点が注目されがちですが、これはレスペクチュスパニス製法がメジャーになる前からすでに行われていたことです。なのであえてレスペクチュスパニス製法で強調するべきは、根底にあるのは「伝統的な製法で焼かれた伝統的なパンに敬意を払おう」という信念、大事なことはもっと他にあるのではないかなあなんて思っています。

日本って環境配慮の観点ではかなり遅れています。対してヨーロッパはエシカルな衣食住への関心が圧倒的に高いです。環境に配慮して飛行機乗らない運動まであるくらいです。

レスペクチュスパニス製法においても上記4点のルールの他に、古くからの製法に立ち返って地産地消の材料を使用して輸送コストなどを削減する、無農薬の材料を使用する、極力電気など使わずに生地を管理する……などなどの前提条件の方が大事なんじゃないかなーなんて思っています。

日本ではどれもなかなか難しいですが……できることからやっていきたいですよね。

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アトリエミツトパンははちみつとパン(とトマト)をこよなく愛する晴が主宰するアトリエです。 はちみつの魅力や可能性、レシピの発信を行っています。 自家製のパンについても勉強してきたことをじゃんじゃんシェアしていきますね。 どうぞよろしくお願いします。