濃いちご酵母の作り方






水を使わずに作るいちご酵母の作り方。いちごで作るフルーツ酵母です。

フルーツ酵母とは?

果物と水分と糖分を合わせて数日寝かせ、果物に付着している酵母や空気中に浮遊している酵母をキャッチして培養したもの。自家培養酵母として製パンなどに用いられます。

いちご果汁をたっぷり使用します。一般的ないちご酵母よりも色も風味も濃く仕上がります。我が家では「濃いちご酵母」と呼んでいます。濃くて美味しい無水いちご酵母です。


作りやすい分量

【いちごの砂糖漬け】
・いちご 200g(100%)
・砂糖 60g(30%)
【濃いちご酵母】
・いちごの砂糖漬け果汁 100g(100%)
・いちご 100g(100%)
・スターター/酵母液 5g (5%)


ポイント

今回、いちごは無農薬のものが手に入らなかったので、普通のいちごを重曹で洗って、水で流してから使用しています。この場合は、そのままですと酵母が起きにくいので、スターターを加えます。スターターはどんな酵母でも大丈夫です。私はいちご酵母、レーズン酵母、ヨーグルト酵母を使用しています。
無農薬のいちごが手に入る場合は、スターターを入れずに酵母を起こすことができます。この場合は、いちごをさっと洗って、いちごに付着した酵母と空気中の酵母をキャッチして育てます。ご紹介している工程よりも少し時間がかかりますが、こちらもトライしてみてくださいね。
木琴堂チャンネルでは長野県【安曇野養蜂苑】のアカシアはちみつを使用しています。

■濃いちご酵母の作り方

 いちごの砂糖漬けの下準備

いちごを洗います

水に水の量の5-10%の重曹を溶かして、いちごを沈めます❶。30秒ほど浸したら、表面を軽く洗って、流水で流し、水を切ります❷。ヘタをとり、半分に切ります❸❹。

 1

ビニール袋にいちごと砂糖を入れ、砂糖が全体にいきわたるように軽く混ぜます❶❷❸。できるだけ空気を抜いて袋の口を閉めます❹。

 2

冷蔵庫で2-3日、保存します。

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いちごの砂糖漬けのいちご果肉と果汁をわけます。

 濃いちご酵母の下準備

いちごを洗います

水に水の量の5-10%の重曹を溶かして、いちごを沈めます❶。30秒ほど浸したら、表面を軽く洗って、流水で流し、水を切ります❷。ヘタをとります❸❹。

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いちご果汁といちご、スターターを合わせてよく混ぜます❶❷❸。28℃で保存します❹。

温度28℃
18時間

できれば6時間ごと、最低でも12時間ごとに撹拌し、酵母に新しい酸素を供給してください。

 5

18時間経過後。

観察

気泡は比較的大きく、空気を取り込むように撹拌すると大きな泡が消え、細かな泡が絶えず生まれるような状態になります。味は甘いいちごジュースのような味です。酵母の風味はほとんど感じません。

いちごの果肉をブレンダーやジューサーで潰します❶❷❸。引きつづき28℃で保存します❹。

温度28℃
6時間

途中、かなり膨らみます。溢れて大惨事になる場合があるので、注意してください。

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6時間経過後。

観察

二層にくっきりと分かれます。写真で見えにくいんですが、うっすらとですがオリも溜まっています。味はまだまだしっかりと甘いいちごジュースです。飲み込んだ後にかすかに酵母液独特の風味を感じます。

軽く撹拌し、酵母に新しい酸素を供給してから、冷蔵庫でひと晩、休ませます。

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完成!

観察

オリが倍以上に増えます。混ぜるとしゅわしゅわと控えめな音がします。味は甘味が薄くなり、微炭酸を感じます。たったひと晩ですが、がらりと風味が変わるので、この変化をぜひ確認してみてください。

■ポイント

 フルーツの酵母

フルーツの酵母には二種類あります。ドライフルーツで起こす酵母と、季節のフレッシュフルーツで起こす酵母です。今回ご紹介した濃いちご酵母はフレッシュフルーツで起こす酵母です。フレッシュフルーツで起こす酵母をさらに二つに細分化して考えるとすると、濃いちご酵母はフレッシュフルーツの無水酵母です。なんのこっちゃですが、それぞれフルーツの風味の残り方や酵母液のすすみの早さが違うので、分けて考えておくと今後活用しやすいかと思います。

フルーツ酵母は、基本的には「フルーツあるいはドライフルーツ」と「ある程度の水分」と「糖分」があれば、酵母を起こすことができます。この場合、フルーツに付着している酵母と空気中に浮遊している酵母をキャッチして培養することになります。基本的には、フルーツの洗浄は軽く、簡単に行うことが求められます。フルーツに付着している酵母を逃したくないからです。酵母起こしに無農薬のフルーツや自家製のフルーツが好まれるのはこういった理由によるものです。

また、「酵母が起きやすい環境がある」とする専門家の方もいらっしゃいます。その場合は、除菌しすぎていない環境であったり、普段から酵母を頻繁に取り扱っているキッチン環境であったりが有効なようです。

 濃いちご酵母の特徴

濃いちご酵母はフレッシュフルーツの無水酵母です。水を使用していない分、いちごの色や香り、風味が濃く残ります。いちごはもともと酸味の強い果物ですから、酵母液自体がかなり酸性に傾きます。酵母にとっては活動しやすい環境です。酵母が活動しやすいということは、発酵の進みが早いということです。酵母が元気になるのも早いですが、ピークを超えて衰えていくのも早いです。仕上がってから、ひと晩、冷蔵庫で休ませるだけで、風味ががらりと変わるので、ぜひご自身で、発酵の進みの早さを確かめてください。写真には写りにくかったのですが、ひと晩で、オリも倍に増えます(写真参照↓)。できるだけ早いうちに使用するか、元種などに変換することをおすすめします。

どうしても使用できない場合は、少しの糖分を追加し、6時間ないし12時間ごとに撹拌して保存してください。酵母に新しい餌(糖分と酸素)をあげることで、ある程度は保存期間を長らえることができると思います。ただ私はいつも2-3日で使用してしまうか、それ以降は市販のインスタントドライイーストを併用して使い切ってしまうので、こちらは確かめたことがありません。すみません💦

 濃いちご酵母の使い方

私の場合は、普段は元種に変換してから使用します。酵母液をストレートで使用することは実はあまり多くないです。酵母液のまま使用する場合は、普段はベイカーズ%で15-30%くらい添加して、必要に応じて市販のインスタントドライイーストを併用しています。

イースト併用での製パンはご家庭では敬遠されることが多いようですが、基本的に自家培養酵母の良さを活かす場合、微量のイーストの添加はお互いの良さを最大限に活かすためにも大変おすすめです。いちご酵母は、パン生地をかなり酸性に傾けるので、あまり発酵に時間をかけられません。生地の繋がりが切れてしまいます。パン生地のキメが粗くなったり、いつまでも滑らかな生地感にならないと感じることがあるかと思います。フレッシュフルーツの、酸味が強い酵母のストレート使用の場合はここがネックです。ある程度の早さで発酵を終わらせるためには、酵母が最も活発なタイミングで生地を仕込んで、スピード感を持って焼成まで済ませてしまうことが大切です。必要に応じてイーストを添加することが、生地のために、よりいい場合があるということを知っておいて欲しいと思います。

 一般的なフルーツ酵母の作り方

フルーツ、水を合わせて、数日寝かせます。フルーツ酵母は、本来は、フルーツそのものが持つ糖分が酵母の栄養源になるので、糖分を加えずに作ることができます。ただ、甘味の少ないフルーツや、ドライフルーツのように皮が硬くて水の中に糖分が溶け出しにくいものを使用する場合は、別途、砂糖などを加えて糖分を補います。

酵母をメインに起こすので少し高めの温度帯(28-30℃強)での保存が最適ですが、木琴堂では、普段から扱い慣れている28℃で保存しています。

フルーツが水分に浮かんで、色が抜け、フルーツの周りに細かな気泡が現れます。液体の底に濁ったオリがたまり、オリの隙間からも細かな気泡が上がるようになってくると、酵母として使用できます。

今回のようにフレッシュフルーツの果肉までピュレにして使用する酵母の場合は、発酵の進みが早いので、早めに冷蔵することを心がけるようにしています。目安になるオリは、ひと晩、冷蔵する間にもしっかりとたまります。ご自身の酵母を観察してみてください。

■濃いちご酵母を使用したレシピ

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アトリエミツトパンははちみつとパン(とトマト)をこよなく愛する晴が主宰するアトリエです。 はちみつの魅力や可能性、レシピの発信を行っています。 自家製のパンについても勉強してきたことをじゃんじゃんシェアしていきますね。 どうぞよろしくお願いします。