自家製酵母で焼く【バナナブレッド】の作り方。
バナナブレッドとは?
バナナを生地に加えて焼くパン、またはパウンドケーキのことです。ベーキングパウダーで膨らませるものと酵母で膨らませるものと、二種類あります。アメリカ生まれのパン(またはケーキ)で、レーズンやナッツ、チョコレートチップを加えて焼かれることも。発祥のアメリカでは2/23はバナナブレッドの日なんだそうですよ。
そんなバナナブレッドが大好きです。それもベーキングパウダーではなく酵母で膨らませた食感が大好き。自家製酵母はリフレッシュするたびに廃棄が出ます。パウンドケーキなら一度にたくさんの種を消費できるので便利なんです。にんじんやウィークエンドや、もちろんシンプルなバターケーキもいいですが、今回はバナナで。
そしてスパイスケーキ(特にパンデピス!)が大好きなので、
・はちみつたっぷり砂糖なし
・スパイスたっぷり
・ラム酒少し
……を配合して作りました。
はちみつはもちろん砂糖でも代用できます。砂糖のおすすめは和三盆か喜界島の島ざらめ。島ざらめはいろいろあるんですが、この喜界島の島ざらめは、初めて召し上がる方は多分びっくりされると思います。それくらい風味が独特で本当においしいです。ローはちみつには及ばないかもしれませんが、栄養もたっぷりですしね。
今回のスパイスはシナモンとカルダモンで。こちらは入れても入れなくてもおいしいです。
もしスパイスを加えるならお好みで配合を変えてください。シナモン、ナツメグ、カルダモン、クローブ、ジンジャー、アニス……。面倒な方はクオーターエピス(キャトルエピス)やオールスパイスを使用してしまうのも◎。
発酵をとって仕上げるので、一般的なパウンドケーキよりも密度は低めです。その分、糖や油脂が少なめの配合になっています。お好みで加減してくださいね。
甘みあっさりのバナナブレッドなので、私はトースト+バター+追いはちみつで食べるのが好きです。
木琴堂チャンネルでは長野県【安曇野養蜂苑】のアカシアはちみつを使用しています。
参考書
増沢恵子さんの『天然酵母でつくるお菓子』文化出版局
■YouTube
■材料(%)
—-スリム食パン型1本分(6×25×H6cm)
・たまご 1個(55g前後)
・米油 40g
・はちみつ 80g
・ルヴァンリキッド 100g
・バナナ 200g
・ラム酒 10g
・準強力粉 130g
・全粒粉 50g
・ナッツパウダー 20g
・シナモンパウダー 2g
・カルダモンパウダー 2g
・塩 ひとつまみ
*焼成
予熱 200℃
焼成 200℃で5分焼成後にクープ / 180℃で40〜50分
オーブンの癖等で焼成温度や時間はかなり変わってきますので、それぞれ調整してください。
■作り方
フローチャート
パン作りの流れをざっとさらいます。おおよその時間割です。
計量・下準備(7分)
↓
ミキシング(1分)
↓
ルヴァンリキッド、バナナフィリング追加+ミキシング(1分)
↓
粉類追加+ミキシング(1分)
↓
型入れ・最終発酵
↓
焼成(1時間)
自家製酵母のバナナブレッドの生地管理
こねあげ温度
特に気にしていません
最終発酵(二次発酵/ホイロ)
30℃、湿度70%以上、1〜2時間
あくまでも目安です。特に最終発酵はルヴァンリキッドの酵母の強さによって大きく変わってくるので、要所、要所で、生地の温度や質感を見極めてください。
このバナナブレッドは一般的な酵母のパウンドケーキに比べると最終発酵で生地が上がってくるのが比較的、早いと思います。粉に対する糖と油脂の割合が低めで、さらに粉の種類も違うので。一般的な酵母のケーキは室温で5時間〜半日寝かせるレシピもあります。その分、糖と油脂の味わいはそちらの方が強く感じられると思います。
糖や油脂を追加する場合は発酵を長めにとるか、高さはなくとも身の詰まった食べ応えのある生地に仕上げるか、お好みで加減するのも楽しいかもしれません。
■工程
上記のフローチャートに沿って、具体的な工程やポイントを確認しながらパンを焼いていきます。
下準備
バナナフィリングを作ります
適当な大きさにカットしたバナナにラム酒を加えます。
バナナを軽く潰します。
完全にペーストにしてもいいですし、今回のようにあらく潰してもおいしいです。
1
たまご、米油、はちみつを合わせて、ブレンダーで攪拌します。
2
たまご液にルヴァンリキッド、バナナを加えてよく混ぜます。
たまご、ルヴァンリキッドは常温に出して少し温度を戻してから使用しています。
3
さらに準強力粉、全粒粉、ナッツパウダー、スパイス、塩をふるいながら加えます。
ナッツパウダーはアーモンドプードルやピーナッツ、パンプキンシードなどを砕いて使用しています。軽くローストしてから粉にすると香ばしくておいしいです。お好みのものをご使用ください。
全体がムラなく混ざるようにさっくり混ぜます。
4
型に流し入れます。生地全体がふっくらとして、型の少し下の高さに届くまで発酵させます。
温度30℃/湿度70%以上
目安は1〜2時間
写真ではわかりにくいんですが、最終発酵前は型の7〜8割ほどだった生地が、発酵後に9〜10割に上がってきています。自家製酵母のパウンドケーキはパンのように2〜3倍にならなくても充分です。全体的にふっくらして型のサイズに見合うようになったら焼成してください。
5
焼成します。
200℃で5分焼成したら取り出して、クープを入れ、再びオーブンに戻します。180℃で40〜50分焼成します。
■参考書
増沢恵子さんの『天然酵母でつくるお菓子』文化出版局
今回のレシピでは、この書籍にダイレクトにお世話になったわけではないのですが、私の酵母スイーツのベースはここにありますので記しておきます。使用している酵母はホシノです。ホシノを自家製酵母に置き換えたら……と脳内変換しながら読んでいます。
この本が好きすぎて、いつもキッチン台のそばに置いてます。知らない素材や名前がたくさん出てくるので、決して作りやすいわけではないのですが、トライしてみたものはどれもたいへんおいしいです。初心者さんには難しいかもしれません。私にも難しいです。さっぱりわからない素材が出てきたりします。製パン、製菓の中級、上級のかたには素敵な指南書になるのではないでしょうか。
■食材
準強力粉
国産小麦E65です。普段のハードパンもベースはこの粉です。
薄力粉
薄力粉はだいたいドルチェです。こちらも国産小麦です。
和三盆
島ざらめ
米油
セイロンシナモン
シナモンはクマリンの心配もあるのでカシアシナモンではなくセイロンシナモンを。大量に摂取しなければ問題ないかもしれませんが。
カルダモン
マスコットのカルダモンパウダーのリンクが見つからないので、こちらを。
クローブ
ナツメグ
ジンジャー
アニス
キャトルエピス
オールスパイス
チャイスパイスミックス
■道具
ボウル
こねるときはガラスボウル。発酵の具合も全方向から確かめられます。経年劣化の濁りみたいなものも出にくいと思うので、長く使えるのではないでしょうか。
私はiwakiのガラスボウルを使用しています。
スケール
パン作りに欠かせないのはスケール。3kgまで、0.1g単位で計ることができるものをおすすめします。
私が使用しているのはタニタのスケールです。
焼き型
スリム食パン型、こちらのものと同じです。
手軽なサイズで焼けるので重宝しています。先日、また買い足しました。
この他にも「スリム食パン型」と呼ばれるものはいくつかあるようです。いろんなサイズのものが作られているようなので、お好みの形のものを選んでください。それぞれ容量は変わってくると思いますので、分量は型に合わせて計算しなおしてください。
ハンドブレンダー
母から譲り受けたものでかなり古いのですがずっと現役です。使い勝手がいいのでおすすめです。パンこねもブレードも付属しているのですが、使い勝手はいまいち。パンは別のコネ機でこねた方がいいような気がします。私のものより新しいのは、もうちょっとスタイリッシュですね。
オーブンシート
これはもうずーっとリピしてます。巻きが長くてお得感があるので。無漂白がお気に入り。
ナイフ
ハードパンの内層を見るときにもよく登場する手頃サイズのナイフ。固いものも安定して切れます。バゲットの水平カットのときは絶対このナイフです。サイズも切れ味もちょうどいいのです。