自家製酵母とはちみつの【ショートブレッド】の作り方。
ショートブレッドとは?
スコットランドの伝統的なビスケットです。小麦粉、バター、砂糖、塩というとてもシンプルな材料がベースになって構成されています。小麦粉に冷たいバターを合わせてすり混ぜて作ることでサクサクの食感を生み出し、バターをあえてクリーム状にしないことで豊かな風味を損なわずに焼き上げるのだそうです。紅茶と合わせていただくのが◎。
バターの風味がダイレクトに感じられる配合と作り方なので、バターの質はとても大切です。ご家庭に発酵バターがある場合はそちらを使用すると、仕上がりのクオリティがアップします。ただ、発酵バターの乳酸菌の風味は酵母でも充分に補えます。本当にいい香りになるのでぜひ入れてみてください。
この場合の酵母はストレート液でなく、小麦が入った発酵種がベターだと思います。発酵バターの乳酸菌の香りを複雑な発酵生成物の香りで補うので、事前にしっかりと発酵をとって熟成させた種を使ってください。
もちろん砂糖ははちみつで代用しますよ!
■YouTube
■材料
16〜18個分
・薄力粉 180g
・バター 90g
・塩 2g
・はちみつ 40g
・ルヴァンシェフ(デュール) 30g
焼成
予熱130℃
焼成130℃で45〜60分
オーブンの癖等で焼成温度や時間はかなり変わってきますので、それぞれ調整してください。
ルヴァンシェフ(デュール)の作り方
ルヴァンリキッドを使用する場合
・薄力粉 180g
・バター 90g
・塩 2g
・はちみつ 40g
・ルヴァンリキッド 20g

ルヴァンリキッド の作り方
■作り方
フローチャート
お菓子作りの流れをざっとさらいます。おおよその時間割です。
計量・下準備(5分)
↓
ミキシング(1分)
↓
はちみつ、ルヴァンシェフ追加+ミキシング(1分)
↓
生地の伸ばしと折りたたみ(2分)
↓
発酵(3時間〜5日間)
↓
分割、仕上げ(5分)
↓
焼成(45〜60分)

■工程
上記のフローチャートに沿って、具体的な工程やポイントを確認しながらお菓子を焼いていきます。
下準備
バターを用意します
バターを1cm角に切って、冷蔵庫で冷やします。
バターは冷たいまま焼成することで、香りを損なわずに、またサクサクの歯切れの良い食感を演出することができます。ショートブレッドはこのサクサク食感を目指します。
1

フードプロセッサーに薄力粉、塩、冷やしておいたバターを加え、バターが完全に混ざるまで攪拌します。

2

混ざったら、はちみつ、ルヴァンシェフをちぎって加えて、再び攪拌します。
酵母を加える一番のメリットは乳酸菌や酵母菌の独特の香りを加えることができること。バターの風味を大切にする焼き菓子では発酵バターが好まれますが、発酵バターの乳酸菌が生み出す複雑な香りを酵母が補ってくれます。
今回はルヴァンシェフ(デュール)を加えていますが、発酵種ならなんでも使えると思います。酵母液のストレートではなく、発酵種を使ってください。発酵時間、冷蔵3時間でもちゃんといい香りがします。水分量は調整してくださいね。
しっかりと生地を寝かせる場合はこの限りではありません。酵母液でも大丈夫。液量を減らして加えてください。

生地がそぼろ状になって、つまんだときにひとかたまりになるくらいに混ざったら、こね台に出します。
3

こね台の上で生地を伸ばし、切って重ねて、再び伸ばします。これを数回くりかえして生地をまとめて、幅7cmの長方形の形に成形します。厚さは1.5cmを目安にします。
4

冷蔵庫に入れて3時間〜5日間、休ませます。
5

冷蔵庫から生地を出し、7cm×1.5cm×1.5cmの棒状に切り取り、オーブンシートの上に並べます。表面につまようじで穴をあけます。

6
焼成します。

■ショートブレッドとは?
スコットランドの伝統的なビスケットです。小麦粉、バター、砂糖、塩というとてもシンプルな材料がベースになって構成されています。卵を加えて焼くクッキーとはこの部分ではっきりと異なっています。
小麦粉に冷たいバターを合わせてすり混ぜて作ることでサクサクの食感を生み出し、バターをあえてクリーム状にしないことで豊かな風味を損なわずに焼き上げるのだそうです。「short」には「脆い」という意味があります。つまり「すぐに砕けるサクサクした食感」のブレッドを目指すわけです。
ショートブレッドはスコットランドの伝統菓子ですから、紅茶と合わせていただくのがベストかもしれません。

■道具
フードプロセッサーとスタンドミキサー
私はタイガーのスティックブレンダーを愛用しています。簡易的なフードプロセッサーとしても使えます。母からもらったものです。パンもこねられると書いてあったのですが、こねてみたけど無理でした。
今は新しいのが出てますね。パンをこねることについては明記されていないみたい。
基本的には手ごねですが、たくさんのパンをこねるときはこれ。お取り扱いサイトがあまりないのですが、お気に入りのクイジナートです。
スケール
パン作りに欠かせないのはスケール。3kgまで、0.1g単位で計ることができるものをおすすめします。私が使用しているのはタニタのスケールです。
■参考書
増沢恵子さんの『天然酵母でつくるお菓子』文化出版局
今回のレシピでは、この書籍にダイレクトにお世話になったわけではないのですが、私の酵母スイーツのベースはここにありますので記しておきます。使用している酵母はホシノです。ホシノを自家製酵母に置き換えたら……と脳内変換しながら読んでいます。
この本が好きすぎて、いつもキッチン台のそばに置いてます。知らない素材や名前がたくさん出てくるので、決して作りやすいわけではないのですが、トライしてみたものはどれもたいへんおいしいです。初心者さんには難しいかもしれません。私にも難しいです。さっぱりわからない素材が出てきたりします。製パン、製菓の中級、上級のかたには素敵な指南書になるのではないでしょうか。
