ハッピーホリデイ!本格【シュトレン】アドベントを楽しむドイツのパンはいかが?

ハッピーホリデイ!

オーバーナイト発酵で焼く本格【シュトレン】の作り方。

アドベントはカレンダーを開いたりキャンドルを灯したりシュトレンを一切れずつ食べたりすることでなんとなく楽しんでいます。みなさんはいかがですか?

中でもシュトレンを食べるのは特別に好きです! 毎日少しづつ味が変わって本当においしい! そうです。私は毎週末というより毎日食べます。シュトレンおいしいです。笑

作ってみるとバターの多さにぎょっとしますが、たっぷりのバターとラム酒とお砂糖のおかげで、おいしさが長持ちするのですね。ここはふんだんに使用して、最後の一切れまでおいしいシュトレンを作りましょう!


シュトレンはいろんな口当たりのものがありますが、こちらはパン生地よりもパウンド生地に近い口当たりの発酵控えめのレシピになっています。クグロフよりも少しどっしりした感じです。お味は保証します! とってもおいしいので是非この手順で作ってみてください!

シュトレンの作り方

材料
2本分

生地

・牛乳 30g
・ドライイースト(サフ金) 3g

・バター 90g
・卵黄 20g
・はちみつ 40g
・マジパンローマッセ 50g(*1)
・ルヴァンリキッド 40g
・塩 2g

・強力粉 160g
・薄力粉 40g
・シナモン 2g
・カルダモン 1g
・クローブ 1g
・ナツメグ 1g

・ローストナッツ 100g(*2)
・ラム酒漬けドライフルーツ 100g(*3)

・マジパンローマッセ 100g(*1)

仕上げ

・溶かしバター
・ダークラム
・グラニュー糖
・粉糖


*焼成
予熱180℃
焼成180℃ / 30〜40分

オーブンの癖等で焼成温度や時間はかなり変わってきますので、それぞれ調整してください。

副材料の仕込み方

*1
マジパンローマッセ

・ローストアーモンドプードル 88g
・粉糖 35g
・はちみつ 26g

アーモンドプードルを160℃で10分ローストし、熱いうちに粉糖、はちみつを加えて練ります。3分割して、うち2つは15cmほどの棒状に成形、残りはそのままの形で、それぞれ冷蔵庫に入れて保存します。1晩ほど寝かせてなじませます。1つはシュトレンの生地に加えます。棒状に成形した2つは、シュトレンの成型時に生地に包んで焼き上げます。

*2
ローストナッツ

・くるみ 40g
・スライスアーモンド30g
・ピスタチオ30g

ナッツ類をオーブンシートに重ならないように並べ、150℃で10分ローストします。粗熱をとってから使用します。

*3
ドライフルーツのラム酒漬け

・クランベリー 50g
・ゴールドレーズン 50g
・ホワイトラム(ダークラムでも)

ドライフルーツが油脂でコーティングされている場合は、熱湯にくぐらせて油抜きをします。水分を十分に拭き取ってから、清潔な瓶にフルーツを詰め、ひたひたになるくらいのホワイトラムを注ぎます。常温で保存し、3日後にシュトレンの生地に使用します。生地に混ぜ込む際にはしっかりと水分を切ってください。

作り方

1日目

ラム酒漬けドライフルーツを仕込みます。

2日目

おやすみ。

3日目

マジパンローマッセを仕込みます。

4日目

下準備
ラム酒漬けドライフルーツの水分を切ります。ローストナッツを仕込みます。温めた牛乳にイーストを溶かし、イースト液を作ります。強力粉、薄力粉、スパイスを軽く混ぜ合わせておきます。

1
常温に戻したバターをホイップし、卵黄、はちみつを加えてさらにホイップします。次いで、マジパンローマッセ、ルヴァンリキッド、塩を加えてよく混ぜます。

2
粉類、イースト液を加え、軽く混ぜます。粉気がなくなるまで混ぜたら、こね台に出してまとまるまでこねます。まとまったらローストナッツ、ラム酒漬けドライフルーツを加えてこねます。均一に混ざったら冷蔵庫に入れ、12時間〜熟成させます。シュトレンの生地は長めに3晩ほど寝かせても大丈夫です。

5日目

1
生地の表面に出ているナッツやフルーツを取り除き、裏面に加えます(コゲを防ぐため)。2分割して復温させます(15℃前後)。

2
生地を縦24cm、横15cmに伸ばし、成形します。手前と奥から、それぞれ4分の1ずつ生地を内側に折りたたみます。手前から折りたたんだ生地の先に、15cmに伸ばしたマジパンローマッセ50gをのせて、マジパンを覆うように奥から生地を折りたたみます。マジパンを包んだ生地が焼成中に広がってしまわないように、生地の上に綿棒を押し当てて、強く押さえます。おなじみのシュトレンの形に仕上がると思います。

3
最終発酵は20〜30分で切り上げます。生地自体はさほど膨らみませんが、パウンド生地に近い食感に仕上げたいので、これくらいで切り上げて焼成します。180℃ / 30〜40分焼成します。

4
焼成後、熱いうちに溶かしバター、ラム酒、グラニュー糖をたっぷりとふりかけてコーティングします。そのままひと晩、寝かせます。

6日目

粉糖をたっぷりとふりかけ、生地をまるごと包みこみます。そのまま2日間、寝かせます。

7日目

おやすみ。

8日目

真ん中から半分に切って、切り口から1cmほどスライスしてサーブします。切り口を合わせて、生地の内側ができるだけ空気に触れないようにして保存します。保存料など不使用の手作りのお菓子ですので、安全面に配慮しながら召し上がってください。

ポイントとコツ

シュトレンのスターター

多くのレシピでは、発酵する力が安定している生イーストや中種、水種(ポーリッシュ種)を使用したり、イースト量をかなり増やしたりしていると思います。今回は、発酵は控えめに、生地をゆっくりゆっくり熟成させる感じで仕上げています。しっとり、リッチなパウンドのような食感です。なので特に予備発酵の工程は入れていません。

材料もバターのホイップから手を付けるのですが、これはブリオッシュ生地のニーディングでたまに見かける手法です。生地の引きを抑えて口溶けをよくする効果があるようです。なので今回のシュトレンは生地の繋がりを控えめに、発酵も控えめにしてみました。どんなもんでしょうね、また何度か作ってみておいしい生地を見極めたいと思います。皆さんもいろいろお試しください。

私は、クグロフなんかはもっちりむぎゅっとした発酵生地の食感が好きなのですが、シュトレンに関してはこの食感をかなり気に入っているので、是非作ってみていただきたいと思います。

マジパンローマッセ

マジパンはアーモンドのパウダーと粉糖の練り物です。中でもマジパンローマッセは、アーモンドに対する粉糖の割合が半量のものを指すようで、一般的なマジパン細工に利用されるマジパンとは違うものです。このマジパンローマッセを隠し味のようにパウンドケーキなどの焼き菓子に配合すると、生地の仕上がりが香ばしく、さくっと歯切れ良くなったりするので、たまに焼き菓子のレシピの材料として見かけることがあるかと思います。そうは言っても、家庭のキッチンにはあまり馴染みのない材料ですよね。

ただ、このマジパンローマッセはシュトレンには欠かせません。ぜひ使ってほしいです。でも購入するとそこそこのお値段するのです。そこがネックですよね。

マジパンローマッセについては、どう手作りするのがいいのか、家庭で再現する際にはちょっと悩んでしまいます。アーモンドと粉糖の配合割合や作る工程は、ドイツとフランスとでもちょっと違うみたいです。基本的には、アーモンドに熱を加えて練りながら粉糖と混合し、生地をつなげて仕上げるようです。アーモンドの油分と熱で溶けた粉糖の粘りで生地をひとまとまりにするのですね。でも機械もない家庭ではそれは難しいので、卵白を添加して練るレシピが主流でしょうか。

今回は、一応パン生地ですし、卵白の添加を避けました。アーモンドプードルをローストして、粉糖と混ぜます。卵白の代わりにはちみつを加えて少し水分を足しました。

もちろん市販のものでも全く問題ないですよ!


マジパンローマッセについては私が個人的に調べたことですので、間違いがあるかもしれません。より素敵な再現レシピなどありましたら、コメント欄などから教えていただけると助かります。よろしくお願いします。

ラム酒漬けドライフルーツ

ラム酒漬けドライフルーツの漬け込みは3日以内をおすすめします。シュトレンは混ぜ込むフルーツとナッツの量がかなり多いので、ニーディングの工程でかなり生地をいじることになります。フルーツが漬かりすぎていると、果皮が崩れやすいです。生地が汚れると成形しにくくもなるので、フルーツの漬け込みは1日から3日をおすすめします。

仕上げのグラニュー糖

シュトレンマニアの方には、かじったときのジャリッとしたあの食感をこの上なく愛していらっしゃる方もおられるのではないでしょうか。粉糖だけではもったいないです。粉糖仕上げの前に、ぜひジャリッとしたお砂糖を馴染ませてあげてください。ブラウンシュガーもおすすめです。少し変わった風味をお好みの場合は島ザラメなんかもいいかもしれません。

ルヴァンリキッド

「Levain」ルヴァンというのはフランス語で発酵種、酵母のこと。主にライ麦などの野生酵母を育てて、リキッドや元種としてパンを焼くのに使用するものです。イーストのような単一酵母ではなく複合酵母なので、各家庭やお店ごとに風味が異なり、パン屋さんやおうちパン職人さんの顔になっていたりします。

ルヴァンリキッドはルヴァンの中でも配合する水分を多めにした液体状の発酵種です。私が育てているのは、ライ麦から立ちあげたルヴァンリキッドTA210(粉量に対して水分量110%のもの)です。水種とも呼ばれます。対して水の配合量が少ないものをルヴァンデュールと呼んで区別するようです。

ルヴァン種は定期的に種つぎ(育てている発酵種に新たな粉と水を追加して発酵種の中の酵母が継続的に働くことができる環境を整えてあげること)をして、いい状態に保ち続ける必要があります。そうして育てた生地は乳酸菌優勢のものなので、発酵力はそれほど強くありません。発酵の力はイーストで補ってあげるといいと思います。

今回はあまりルヴァンの良さが活きる生地ではないので、ルヴァンリキッドの準備がない場合は、特に加えなくても大丈夫です。代わりに水分(牛乳)20gほどを足してください。