【初心者カヌレ】とっても簡単*手軽にフランス菓子を楽しもう!


How to make【Cannelé de Bordeaux】. This is a very simple recipe. Only 8 ingredients are needed. If you use vanilla oil(or vanilla extract) instead of vanilla beans, it takes very little effort. But It’s pretty delicious. Please try and have fun!


生地は混ぜて寝かせるだけ。とっても簡単、【初心者カヌレ】の作り方。

カヌレはフランスのボルドー地方発祥のお菓子です。蜜蝋を塗った型でカスタードのような生地をじっくり焼き上げます。長時間熟成させたとろんとした生地をグツグツと煮立たせながら焼くことで、生地の内側にはたくさんの気泡が。外側は高温で念入りに焦がされているので、カリッカリです。スプーンで叩くと金属の音がします、笑。この二層の食感のコントラストがたまらない、上質なフランスの伝統菓子なのです。

そんな上品なカヌレなのですが、生地作り自体は混ぜて寝かせるだけなのでとっても簡単です。それをさらに簡略化して、【初心者カヌレ】のレシピを作ってみました。よろしかったら作ってみてくださいね。

How to make【Cannelé de Bordeaux】
【初心者カヌレ】の作り方

材料
日本製銅型4〜5個分
*型8分目で生地量65gくらい

・薄力粉 40g
・砂糖 30g
・牛乳 200g
・溶かしバター 10g
・はちみつ 30g
・たまご 1個
・ラム酒 10g
・バニラオイル 適宜


*焼成
予熱300℃
焼成300℃で7〜10分、220℃で40〜50分

オーブンの癖等で焼成温度や時間はかなり変わってきますので、それぞれ調整してください。

ingredients
4-5 pieces

40g cake flour
30g sugar
200g milk
10g melted butter
30g honey
1 egg
10g rum
vanilla oil(vanilla extract)


*bake
preheat 572℉
bake 572℉/7-10 min, and then 428℉/40-50 min

ポイントとコツ

レシピの簡略化

様々なレシピがある中で、今回は「グレーテルのかまど」のレシピを参考にしました。でも全工程を消化するのに3日もかかるというレシピだったので(そのまま作ったらそれはもう感動的に美味!でしたが)、もっと手軽に作りたいし、コスパも良くしたいし、型の蜜蝋コーティングを極めるのが本来の目的だし……と頭をひねりにひねって、以下の部分を改良しています。

・バニラビーンズをバニラオイルで代用
・焦がしバターを溶かしバターで代用
・はちみつを加えてコクをUP!!
・粉類を全量薄力粉に置き換え
・全卵+卵黄を全て全卵に置き換え

これでだいぶお手軽感が増すかと思います。お味は保証します、とっても美味しいですよ!

バニラフレーバー

元のレシピではバニラビーンズを使用しています。なので牛乳を一度沸かして、バニラの香りをしっかりと立たせてから、それを一晩、冷蔵庫で寝かせてじっくりと香り付けするようになっているのです。このときに気を付けたいことは、一度、冷ました牛乳は再び人肌に温めてから使用するということ。生地と合わせる際に溶かしバターが固まってしまいますし、グラニュー糖もしっかりと溶かしたいですから。

今回の木琴堂のレシピではこの手順がごっそり省かれています。バニラオイルを使用するので、牛乳を沸かす必要がないのですね。ただ、溶かしバターを再凝固させないため、グラニュー糖をしっかり溶かすため、牛乳は人肌に温めます。たまごが凝固せず、小麦粉のでんぷんがアルファ化しない程度の温度にしてください。40℃くらいで充分だと思います。

生地は必ず寝かせます

寝かせる前の生地はさらさらで、水のようなテクスチャーです。それが寝かせてみるとあら不思議、トロトロの層ができて、生地に粘度がでます。これがカヌレの内層と風味には大切なようです。きれいに気泡が入ったカヌレ(すが入った、と言うのが正しいのかな?)にはこの生地の熟成期間と焼成温度が影響するようです。24時間から48時間くらいで使用するのが美味しい気がしますが、そのあたりはお好みで。焼き比べて楽しんでみてください。

生地は必ず復温させます

冷蔵庫で熟成させた生地は必ず復温させてください。生地の温度が低すぎると、焼成序盤で生地が沸騰しにくいです。冬場は常温では厳しいくらいです。少し温かいくらいがいいと思います。この焼成時の「沸騰」がカヌレ成功への鍵なので、それを邪魔するものを徹底的に省いていきます。

注ぐ生地量は少なめ

型の7〜8分目量を守って生地を注いでください。入れすぎると、焼成序盤で生地が沸騰しにくいです。くりかえしになりますが、この焼成時の「沸騰」がカヌレ成功への鍵なので、それを邪魔するものを徹底的に省いていきます。

焼成

初期の温度設定は、焼成序盤の7〜10分で生地を煮立たせることができる温度を設定してください。煮立ったらすぐに温度を下げます。生地の表面がぷくぷく煮立った状態のまま、終盤まで焼成し続けることが成功のコツです。後は40〜50分じっくり焼いて、焼き色が甘かったら追加で焼成してください。

ここでの温度は実測温度ではありません。設定温度です。私のオーブンでは300℃で7分、220℃で40分、焼成します。そこで取り出してみるとカヌレの頭の焼き色がまだ薄いので、追加で5〜10分焼成します。カヌレは冷めるとほんの少し焦げ色が濃くなります。それも踏まえて焼き色を調整してください。

失敗カヌレの考察をしてみました

カヌレの失敗といえば、焼成時の生地の持ち上がりではないでしょうか。型の中で生地が浮いてしまって、形が歪になったり、底の部分が焼けなかったり、ときにはポップオーバーみたいに大きく膨らんでシュー皮のようになってしまうことさえあります。カヌレってほんとデリケートで不思議なお菓子です。

カヌレの場合、生地が持ち上がってしまう原因は水蒸気だと思われます。水分たくさんの生地を長時間焼くので、水蒸気がどうにか逃げられる道を作ってあげなくてはなりません。それが「沸騰」です。水蒸気の通り道をいかに早く作ってかげるか、そのために木琴堂では、オーブンの余熱と序盤の焼成温度はかなり高めをお勧めしています。

そして次に大切になるのは、水蒸気の逃げ道を塞いでしまわないこと、です。高めの温度で長く焼き続けると、生地の表面が先に焼き固められてしまいます。そうなると生地に蓋ができた状態ですから、水蒸気は逃げ場を失って、生地を上へ上へと押し上げることになります。焼成序盤で作った水蒸気の通り道をいかに長く守ってあげるか、そのために木琴堂では、生地が沸騰したらすぐにオーブンの温度を下げることをおすすすめしています。

これでも頭の色づきの悪いカヌレがまれに生まれます。これをフランスの方は「白いお尻」と呼んで問題視されているようですよ。日本では「頭がはげたカヌレ」なんて呼ばれるので、ちょうど逆なんですねー。これはネットサーフィンで手に入れた豆知識です。