野田琺瑯で焼くトマトとローズマリーの本格【フォカッチャ】オーバーナイト発酵で焼こう!

オーバーナイト発酵で、そしてお気に入りの野田琺瑯で焼く、トマトとローズマリーの本格「フォカッチャ」の作り方。

おうちで本格的なイタリアのパンを焼いてみましょう。副材料の少ないリーンな生地です。そのぶん小麦の旨みとトッピングの味わいが引き立ちます。生地には発酵種(ルヴァンリキッド)を加えて旨みをプラス。オーバーナイト発酵でさらに熟成を追加しておいしく仕上げました。

一般的なフォカッチャよりももっちりふわっとしているかと思います。やわらかくてとっても食べやすいですよ。トッピングはトマトとローズマリーで間違いなし!

もちろんルヴァンリキッドがなくてもおいしく仕上がります。その場合はイースト1.2g、お水は分量範囲内(195g〜211g)で多めの量でお試しください。


【Semi-Dried Tomatoes | セミドライトマト】の動画はこちらhttps://youtu.be/8TynCEQl2wI

フォカッチャの作り方

材料(%)
野田琺瑯バット21枚取(型容量1,100g)×2台分

・強力粉 162g(50)
・薄力粉 162g(50)
・ルヴァンリキッド 33g(10)
・イースト(赤サフ) 1g(–)
・はちみつ 7g(2)
・水 195-211g(60-65)
・塩 6.5g(2)
・オリーブオイル 19g(6)

・オリーブオイル
・セミドライトマト
・ローズマリー
・紫玉ねぎ


*焼成
予熱180℃
焼成180℃で10〜15分

オーブンの癖等で焼成温度や時間はかなり変わってきますので、それぞれ調整してください。

ingredients(%)
[NODA HORO] enamel tray(7.5in×10in)×2

・162g bread flour(50)
・162g cake flour(50)
・33g liquid levain(10)
・1g dried yeast(–)
・7g honey(2)
・195-211g water(60-65)
・6.5g salt(2)
・19g olive oil(6)

・olive oil
・semi-dried tomatoes
・rosemary
・red onion


*bake
preheat 356℉
bake 356℉/10-15 min

ポイントとコツ

仕込み水の温度

サフのドライイーストは、イーストを溶かす液体の温度が低すぎると働きが鈍くなります。室温に合わせて、仕込み水の温度を20℃〜35℃くらいで調整してください。

ルヴァンリキッド

「Levain」ルヴァンというのはフランス語で発酵種、酵母のこと。主にライ麦などの野生酵母を育てて、リキッドや元種としてパンを焼くのに使用するものです。イーストのような単一酵母ではなく複合酵母なので、各家庭やお店ごとに風味が異なり、パン屋さんやおうちパン職人さんの顔になっていたりします。

ルヴァンリキッドはルヴァンの中でも配合する水分を多めにした液体状の発酵種です。私が育てているのは、ライ麦から立ちあげたルヴァンリキッドTA210(粉量に対して水分量110%のもの)です。水種とも呼ばれます。対して水の配合量が少ないものをルヴァンデュールと呼んで区別するようです。

ルヴァン種は定期的に種つぎ(育てている発酵種に新たな粉と水を追加して発酵種の中の酵母が継続的に働くことができる環境を整えてあげること)をして、いい状態に保ち続ける必要があります。そうして育てた生地は乳酸菌優勢のものなので、発酵力はそれほど強くありません。発酵の力はイーストで補ってあげるといいと思います。

バゲットやフォカッチャのように副材料の少ないリーンな生地の場合は、発酵種や低温長時間発酵で小麦の芳香を深めてあげることで生まれ変わったようにおいしくなります。お試しください。

予備発酵(フロアタイム)

オーバーナイト発酵(8時間以上)させる前に予備発酵の時間をとることで、オーバーナイト発酵中も発酵速度が安定します。室温、湿度にもよりますので一概には言えませんが、30分〜1時間ほど予備発酵の時間をとってあげてください。目安は生地が1.5倍ほどに膨らんでいることです。私の場合は、ここで生地に軽くパンチを入れて新しい空気を入れ、呼吸をさせてあげてから、密着ラップをしてポリシートなどでくるんで、冷蔵庫内の野菜室に入れています。

一方で、予備発酵での時間を調節することで、冷蔵発酵の時間を調整することができます。発酵速度は温度、湿度、酵母の量、酸素の量、ハイドレーションや酸度などによって左右されます。それらの全てを完璧に調整することはなかなか難しいので、幾度か作ってみて、家庭で簡単に調節できそうな部分で調節してあげることが、低温長時間発酵とうまく付き合っていくコツだと思います。

*この生地の場合
ガス抜き後2分割して、熱伝導性の高い容器(ここでは野田琺瑯のバットを使用しています)に平たく伸ばして、折りたたみや丸め直しはせずに、冷蔵発酵に持ちこみます。生地をすぐに芯まで冷やすことで発酵速度を緩やかにするためです。丸め直したまま冷やすと、中心部が冷えるのに時間がかかり、表面と中心とで発酵速度にムラが出やすいです。

オーバーナイト発酵後

生地に軽くパンチを入れて新しい空気を吸わせてあげます。丸め直しはしません。平たく広げたままで生地温度を室温に近づけてあげることが目的です。丸め直すと、中心部が冷えたままになってしまいます。乾燥させないようにポリシートなどで覆って、ベンチタイムをとります。生地温度15℃前後になったら成形します。

こね台が大理石などの場合は、パンマットを使用してください。生地温度の戻りを早めてあげるといいと思います。

フォカッチャに穴を開ける?

開けないフォカッチャもあるようです。火通りを良くするためと言う方もいらっしゃいますが、いちばんは、膨らませたくないからなのかなあ、と思いながらいつも焼いています。

食事のはじめ、まず表面をはがしながら食べて、内側のモチモチした部分はメインのお料理と共に食べるのがイタリア流だそうです。だから表に具をのせて飾るんですね。なるほど。でも又聞きなので知識として使用される場合はご自身でもお調べください。あるいは私は具をたっぷりはさんでサンドイッチにするのも大好きです!