すっかり春です。お花見は楽しんでいらっしゃいますか? みなさんのお花見弁当の中身はどんなでしょう。今回はお花見にぴったりの桜ごはんをご紹介します。
桜ごはんのもとをいくつか味見して作ったレシピです。他にもレシピサイトなどにはシンプルに桜の花の塩漬けだけで味をつけているレシピもあって迷ったのですが、どうしても桜色を綺麗に出したくて、赤い菜の花を使ってみました。紅芯大根を使っても鮮やかな桜色になるみたいですね。材料は手に入りやすいもので作ってみてくださいね。
色を残すことを最優先に考えると、やはり少しお酢を入れるのが良さそうだったので、あまり酸っぱくはないのですが、酢飯のような味わいになっています。ちらし寿司のごはんに近いでしょうか。桜の花のやさしい香りとさわやかな風味がほんとうにおいしいです。絶品です。
なにより、桜色のごはんに癒やされますよね。お弁当に、大皿に、おにぎりの中に、このやさしい色味が入っているだけで嬉しくなっちゃいませんか。ぜひぜひ、大切なご家族に作ってあげてください。
今回はお鍋で炊いていますが、もちろん炊飯器のほうが楽ちんです。ご都合のいい方法で調理してくださいね。
桜ごはんの作り方
材料
ごはん2合分
・米 2合
・水 400g〜450g
・桜の塩漬け 30g
・紅菜苔の甘酢漬け 適宜(甘酢は30g)
・酒 30g
・みりん 15g
・はちみつ 10g
・昆布茶 2g
・塩 適宜

作り方
40分(米を浸水する時間、甘酢漬けを漬けこむ時間は除く)
下準備
・桜色の素になる甘酢漬けをつくる
(紅菜苔や紅芯大根を30gの「はちみつ甘酢」に1晩、漬けておく)
・米を研ぎ、30分ほど浸水させる
桜の花の塩漬けの塩抜きをする
桜の花の塩漬けの余分な塩を、分量外の水で洗う。何回か洗ってからかじってみて塩気が濃すぎるようであれば、さらに15分から30分ほど水につけると良い。

材料を切る
桜の花、紅菜苔の甘酢漬けを適当な大きさに刻む。
※
甘酢漬けに使用した甘酢の調味液は、炊飯に使用するので、捨てずにとっておく
調味料をあわせる
酒、みりん、はちみつ、昆布茶、塩を合わせてよく混ぜる。
米を炊く
充分に浸水させた米を鍋に入れる。そこに合わせておいた調味料、紅菜苔を漬けておいた甘酢、水を加える。かるく混ぜてから、米の上に具をのせ、中火にかける。沸騰したら弱火に落として、12分ほど炊く。
蓋を開けて鍋のふちを確認する。いくつか泡が立っているようであれば、まだ水分が残っているので、もう少し炊く。
ぷつぷつとした泡立ちがなくなったら、10秒だけ火を強めてから、火を止める。そのまま10分ほど蒸らす。
ポイントとコツ
蓋をとってはだめ?
「はじめちょろちょろなかぱっぱ、赤子泣いてもふたとるな」って私も聞いたことはあるのですけれど、私は蓋をとって中身を確認しています。沸騰したかな、焦げた匂いはしていないかな、心配でちょくちょくのぞいてしまいますし、あまつさえ、白米の場合は一度、鍋の中を混ぜたりもします。それでも炊けることには炊けるので、焦げ付きなどが心配な場合は、蓋をとって、中を確認してみてください。
今回は味付けごはんなので、白米よりも焦げやすいと思います。必ず中火からスタート、弱火に落として12分、炊いたら中を確認してくださいね。
鮮やかな桃色にするには
桜色が綺麗に出る食材は少ないですね。まず、シンプルに桜の花の塩漬けだけで炊いてみたのですが、ほとんど色が残りませんでした。色味を気にされないのであれば、そちらのシンプルなレシピもおすすめです。あっさりした塩味と桜の香り、それだけで充分においしいのです。春っていいな、という気持ちになります。
ただ綺麗な桜色の桜ごはんを目でも楽しみたい場合は、色づきやすいお野菜とお酢は必須なのではないかな、と感じました。あとは思いきって食紅、あるいは桜リキュールなんかを使ってみると、なにか新しい発見があるかもしれませんね。
経木と笹
経木は薄く削った木材です。昔はお肉なんかの食材を包んだりしていたそうです。あとはたまにたいやき屋さんで見かけたりもします。他にも天ぷら屋さんの敷き紙になっていたり、おしゃれな和カフェの和食ランチに使用されていたりして、私もひとめ見て、恋に落ちました。
経木は縦に割れやすいですし、木材なので少し固めです。濡れた布巾で拭いて柔らかくしてあげると包みやすいです。このあたりはわっぱのお弁当と同じですね。木の素材だから、ということなのでしょうね。ですからごはんの保湿性にもすぐれており、いつまでもおいしいお弁当を食べることができます。
笹は彩りで入れてみました。大葉でもきっとかわいいですね。おにぎりを俵に握って桜を飾っても可愛かったかもしれません。
経木も笹も、手ぬぐいも。和の素材ってかわいい。そのうえによく考えられていますよね。やっぱり好きだなあ、と思うのでした。

